“タダ乗り日本”にイラつくオバマは、安倍政権に何を要求してきたのか:世界を読み解くニュース・サロン(1/5 ページ)
米アトランティック誌が、オバマ大統領の外交に焦点を置いたインタビュー記事を掲載した。このインタビューでオバマは国際情勢のさまざまなトピックについて、これまでになく“ぶっちゃけ気味”に語っている。その中で興味深いのは……。
世界を読み解くニュース・サロン:
今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
バラク・オバマ米大統領は4月20日、サウジアラビアを訪問した。
近年関係がこじれているサウジで、オバマは原油価格や、シリアのIS(イスラミックステート)の問題について話し合った。そしてその足で英国を訪れた。
英国では、90歳の誕生日を祝うエリザベス女王との昼食会に出席し、ウィリアム王子などとの晩餐会に出て、デービッド・キャメロン首相とはゴルフのラウンドを楽しんだ。言うまでもなく、親密な同盟国として両国の関係は特別なものである。
オバマがサウジや英国を訪問する直前、米アトランティック誌は、オバマの外交に焦点を置いたインタビュー記事を掲載した(参照リンク)。これまでにないほど深くオバマに迫ったその長編記事は、オバマの側近らへの取材も含まれ、合計19ページにもおよぶ。これは同誌の歴史上、最長のページ数だという。
このインタビューでオバマは国際情勢のさまざまなトピックについて、これまでになく“ぶっちゃけ気味”に語っている。そんな中でも特にこのタイミングで興味深く感じたのは、オバマと英国との関係性に触れた部分である。その発言からは、オバマが外交において同盟国に何を求めているのかが垣間見られる。そしてそこには、オバマが別の同盟国である日本に対してどういう態度で接してきたのか、ヒントが見え隠れする。
このインタビュー記事を執筆したのは、著名な米ジャーナリストのジェフリー・ゴールドバーグ記者だ。ゴールドバーグは、イリノイ州選出の上院議員時代からオバマを取材しており、この記事を執筆するまでに、ホワイトハウスやエアフォースワン(大統領専用機)、外国訪問先で幾度となくオバマへのインタビューを行っている。
関連記事
- 世界が販売禁止に乗り出す、“つぶつぶ入り洗顔料”の何が危険なのか
スクラブ製品が、世界的に注目されているのをご存じだろうか。私たちが何気なく使っているスクラブ洗顔料や歯磨き粉などの一部には、いわゆる「マイクロビーズ」と呼ばれるプラスチックの粒子が使われている。その粒子が……。 - 中国政府がいま最も恐れているのは、ネット上の「くまのプーさん」
中国共産党がネット上の検閲に力を入れている。いわゆる「サイバーポリス」と呼ばれる工作員が反政府的な発言などをチェックしているが、2015年に最も削除された発言は……。 - なぜ「楽天」が世界中で叩かれているのか?
英語の社内公用語化など、グローバル企業への成長を目指して動き出した楽天。だが、本当に必要なのは「国際企業ごっこ」ではない。国際社会に対する社会的な貢献が求められる。 - 「最恐の殺人地域」を救うことができるのか 武器は日本の意外な“文化”
「中南米は危険」といった話を聞いたことがあると思うが、私たちが想像している以上に“危険”であるようだ。「世界で最も暴力的な都市2015年」を見ると、上位に中南米の都市がランクイン。こうした状況に対して、日本のある文化が期待されている。それは……。 - フランスで「食品廃棄禁止法」が成立、日本でも導入すべき意外な理由
フランスで「賞味期限切れ食品」の廃棄を禁止する法律が成立した。世界で類を見ない画期的な法律であると世界各地のメディアで取り上げられ話題になっている。課題もたくさんあるが、フランスのこの取り組みは日本でも参考になるのではないだろうか。 - 世界から「児童ポルノ帝国」と呼ばれるニッポン
衆議院で可決した「児童買春・ポルノ禁止法」改正案。日本では大きく報じられていないように見えるが、海外では大きな話題になっている。規制が強化された格好だが、海外メディアの反応は厳しい。その内容とは……?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.