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「数百万人が宇宙で暮らす世に」――Amazon・ベゾスCEOがコロラドで語った未来とは?:宇宙ビジネスの新潮流(3/3 ページ)
先ごろ開催された全米最大規模の宇宙カンファレンス「Space Symposium」にて、米Amazonのジェフ・ベゾスCEOが宇宙ビジネスに関する将来ビジョンを語った。実に壮大だがリアリティある内容だったのだ。
宇宙旅行はBlue Originにとっての“本”
米国の報道によると、ベゾス氏はこれまでロケット開発に500億円以上を投資してきたと言われている。当面の目指す事業である宇宙旅行に関しては、AmazonがEコマース分野で成功するきっかけとなった「本」を引用して、「宇宙旅行はBlue Originにとっての“本”だ」と語った。宇宙旅行をロケット事業における今後のキラーコンテンツとして見据えていることが分かる。
今後のプランに関しては、2017年にはテスト飛行士を、2018年には最初の顧客飛行士を送り込むことが目標だ。今年1月にはBlue Origin社長のボブ・メヤーソン氏が「今後、ターンアラウンドにかかる時間を短くし、実際に人が乗るまでにNew Shepardのテストフライトを数十回行う」と話している。
ここに来て一気に表舞台に出てきたベゾス氏率いるBlue Origin。今後の動向から目が離せない。
著者プロフィール
石田 真康(MASAYASU ISHIDA)
A.T. カーニー株式会社 プリンシパル
ハイテク・IT業界、自動車業界などを中心に、10年超のコンサルティング経験。東京大学工学部卒。内閣府 宇宙政策委員会 宇宙民生利用部会 委員。民間宇宙ビジネスカンファレンス「SPACETIDE2015」企画委員会代表。日本発の民間月面無人探査を目指すチーム「HAKUTO(ハクト)」のプロボノメンバー。主要メディアへの執筆のほか、講演・セミナー多数。
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