少年少女の模範生・二宮尊徳は世界きっての経済イノベーターだった:歴ドル・小日向えりの「もしあの武将がネットサービスを使ったら……」(5/5 ページ)
最近、「歩きスマホを誘発するから危険だ」という理由で、二宮金次郎の銅像が撤去されているそうです。二宮金次郎(尊徳)といえば薪を背負いながら読書する姿が有名ですが、そもそもどんな人物だったのでしょう?
私財を投げ打って日光を復興
尊徳の人生の集大成は、幕府の重要な領地である日光の復興です。「いざ復興へ!」となったのですが、幕府からは補助金は出ず、尊徳は1万両もの自己資金を投じて復興を始めたのです。
最近、「自分のコップが一杯になってから他人に与えようという考えの人は、いつまで経っても他人に施すことはできない」という話を聞きました。人間の欲は尽きないので、例えば、乗り物ひとつとっても、車が手に入ったら、今度は船、次はヘリ、自家用ジェット、と欲しいものは際限がありません。
利他の精神がある人は、最初から他人に与えることができます。その点、尊徳は人のために私財を投げ打つ一方、自分は食事も服装もずっと質素なままで貫き通しました。
さて、最後にお約束の尊徳に勧めたいWebサービスを考えてみました。それは「dマガジン」です。60誌以上の厳選された人気雑誌の最新号が読み放題で、バックナンバーも含めると1000冊以上が好きなときにチェックできます。ぜひ読書家な尊徳に使ってほしいと思います。スマホじゃ読みづらいので、タブレットがお勧めです。でも、いくらおもしろくて夢中になっても、歩き読書は控えましょうね。
著者プロフィール
1988年生まれ。奈良県出身。横浜国立大学卒業。歴史、特に三国志、戦国、幕末に造詣が深く、元祖歴史アイドル=歴ドルとして活躍中。著書に「イケメン幕末史」(PHP新書)、「会津に恋して」(中経出版)、「恋する三国志」(青志社)、「いざ、真田の聖地へ」(主婦と生活社)がある。信州上田観光大使、会津親善大使、関ヶ原観光大使。
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