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えっ、うなぎじゃなくて「恵方巻き」? コンビニ商戦、夏の陣:コンビニ探偵! 調査報告書(2/3 ページ)
「土用の丑の日」と言えば、昔から「うなぎ」と決まっているのだが、ここ数年、コンビニ業界では違う風が吹いているようだ。それは……。
夏なのに「恵方巻き」?
うなぎよりも、販売に注力している商品――それは「恵方巻き」だ。ご存じかもしれないが、実は、夏の恵方巻きの販売は今に始まったわけではない。
「おいおい、恵方巻は節分だろう?」。そんな疑問を持った読者もいるだろう。確かに、われわれにとって最もポピュラーな節分は2月だ。が、節分は1年のうち、春夏秋冬の4回ある。というわけで、「夏の節分として恵方巻を売ることは決してヘンなことではない」というのが、本部の考えなのだ。節分という由緒正しい理由があり、2月の販売実績も高い「恵方巻」を夏にも売り込もうという戦略であろう。
節分と同様、四季それぞれに「土用の丑の日」もあることから、セブン-イレブンでは2月の節分でもうな重を売っているが、Webサイトを見る限り、うなぎより「恵方巻」を推している印象だ。「特選! 恵方巻」(1080円 税込)という高価格帯の商品はあるものの、恵方巻の平均的な価格は300円前後である。
以前の記事「コンビニが恵方巻きの販売に力を入れる、もうひとつの理由」でも、コンビニが2月に恵方巻を売る理由について書いたが、夏の恵方巻も同じような理由がある。無理に2000円前後のうな重を売り込むより、300円を7個のほうが売りすいと考えたわけだ。
コンビニ業界に身を置いていた筆者からすれば「恵方巻きを夏の主力商品として、いよいよ本格的に動き出したか」という印象だ。
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