だからいまも「現役」! 49歳のカズが教えてくれた人生のヒント:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
サッカーJ2横浜FCのFW三浦知良が、自身の持つJ2最年長ゴール記録を49歳3カ月24日に更新した。「スゴすぎる」という言葉しか浮かんでこないが、私たちの知らない世界でカズはどのような努力をしているのだろうか。彼の姿から何か学べることがあるのかもしれない。
地獄の自主トレ
サッカーは他のスポーツと比較しても極めて体力的消耗が激しい。その中でも主力としてピッチに立つためには、相応のフィジカルコンディションが求められる。
カズはここ数年、オフ中に自主トレを行うためグアムに欠かさず足を運んでいる。ここで組み込まれているメニューはとにかく驚異的。早朝か、午前、午後と3つのブロックに分け、約5時間に渡って行われる。まず早朝から4キロの走り込みと体幹トレーニングをこなした後、午前はドリブルやパス回しなどボールを使った練習を繰り返し、午後はジムでひたすらワークアウト。約10日間、このメニューをまるで修行僧のように黙々とこなしている。この間、フィジカルトレーナーやマッサージトレーナーが、しっかりとサポート。コンディションが狂わないように一日体重計に何度も乗るのも、サッカー関係者の間では有名なエピソードだ。
この地獄のグアム自主トレには昨年1月にフジテレビの番組企画で元日本代表の前園真聖氏が同行取材したことがある。当時番組をご覧になった人もいると思うが、前園氏は番組中、実はその2年前にカズのグアム自主トレに参加して、あまりの過酷なトレーニングゆえに嘔吐してしまったことも告白していた。
すでに引退しているとはいえ、かつての名選手で6歳下の同氏ですらギブアップしてしまうような地獄メニュー。これに関しては同行したフジテレビ取材班の関係者が「前園さんは番組企画とはいえ、むしろよくあそこまで一緒に汗を流していた。40歳を過ぎた普通の人がカズさんと同じメニューをこなしたら、ヘタをすると命にもかかわるレベル」と吐露していたほどである。
以前、取材する機会があったとき、カズ本人に「これだけのメニューをこなして苦しいと思わないんですか」と聞いたところ、苦笑いとともにあっけらかんとこう答えが返ってきた。
「何を言っているんだよ。『全然』に決まっているだろう。大好きなサッカーやるためにこれだけの練習ができるんだから、楽しくて仕方がないさ。これを『苦しい』と思ったら、それは『終わり』だよ」
カズにとって、どうやら明らかな愚問だったようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
何が起きていたのか? 清原和博容疑者が古巣・巨人を「震撼」させていた
元プロ野球選手・清原和博容疑者が覚醒剤所持容疑で逮捕されたが、その衝撃はいまだ沈静化していない。新たな疑惑がたくさん浮上してきているからだ。その中の1つ……。
イチローが「日本人のアイデンティティー」にこだわる理由
マーリンズのイチロー外野手が「日米通算」でピート・ローズ氏の持つ歴代最多安打4256本の記録を塗り替えようとしている。2001年から大リーグでプレーし、数々の記録を塗り替えてきたイチローのモチベーションはどこにあるのか。
野球評論家の張本勲氏は、なぜ失言を繰り返すのか
人気情報番組『サンデーモーニング』に出演している野球評論家・張本勲氏のコメントが、ネット上でしばしば“炎上”する。現役時代の張本氏は偉大な選手だったのに、なぜ失言を繰り返すのか。スポーツライターの臼北氏が分析したところ……。
日本ハムが“ハンカチ王子”を「クビ」にしない理由
“ハンカチ王子”として一躍有名になった日本ハムの斎藤佑樹投手も今季でプロ6年目。もういい加減、一軍で活躍しないと「解雇」の二文字もチラついてきそうだが、球団はどのように考えているのだろうか。
重くなったのに、なぜ軽く感じるのか 売り子が背負うビールサーバー
野球場などでキャストと呼ばれている“売り子”が生ビールを販売している。彼女たちが背負っているサーバーは重いので、アサヒビールとデサントは共同で新しいモノを開発。さざかし「軽く」なったんだろうと思っていたら、実は「重く」なっていた。えっ、どうして……?
