“ダメ男を見抜くゲーム”はなぜ生まれた? 恋愛アプリで売上106億円・ボルテージの新機軸(3/4 ページ)
ターゲットを女性に絞った“恋愛ドラマアプリ”で成長を続け、売上高100億円を突破したボルテージ。そんな同社をけん引する一風変わったゲーム「ダウト〜嘘つき男は誰?〜」は、証拠を集めて“ダメ男”のうそを暴くゲームだ。本作は何を目指して生まれたのか、担当者に聞いた。
課金システムの初挑戦
本作は課金モデルにも挑戦があった。同社の課金モデルは、大きく分けて「個別課金タイプ(パーソナル)」と「アイテム課金タイプ(ソーシャル)」の2つだ。
個別課金が、小説や漫画を購入するように、好きなキャラとのラブストーリーをダウンロードする“買い切り制”なのに対し、アイテム課金タイプは、1日に5枚無料で配られる“チケット”を使って物語を読み進めていく。時間をかければ全て無料で読み切ることもできるし、チケットを購入すれば時間を短縮できる。その他、限定ストーリーや特別な展開を楽しめるアイテムやアバターを販売する形もある。
ダウトでは2つのタイプを融合した課金システムを採用。ストーリーはチケットで読み進められるが、恋愛要素や謎解き要素など、読者にとって気になるところで区切り、「チケットを買ってでも早く先を読みたい」と思わせる仕掛けになっている。
また、定期的にイベントを開催し、チケットとは別のゲーム内コインで読めるイベントストーリーを用意する。無課金でも楽しめるが、全シナリオを読むにはある程度の課金が必要になるといった具合だ。「イベントでチケット消費するような仕組みにしてしまうと、ユーザーはイベントを進めなくなってしまう。本編はチケット消費、イベントはコイン消費――と使い分けするように考えた」(田中さん)。
本編を進めていくと購入可能になる「恋愛編」もある。恋愛編は、本編では「ダウト」されたキャラクターとの恋愛が楽しめるストーリーで、ボルテージの既存の恋アプと趣が似ている。
「恋愛編を遊んで、他の恋アプにも興味をもってもらいたいという思いがある。ダウトをプレイしている9割以上が恋愛パートのトキメキよりもダウトパートの爽快感を楽しんでいるという状態の中、ダウンロード数は健闘している感触」(堀井さん)
新規層の開拓を目指した分、他のアプリよりも売上目標は少し低めに設定していたという。だが目標は予想を上回るペースで達成。詳細は非公開だが、かなり好調という。
広告からの反応も好調だ。昨年10月クールで放送されたボルテージがモデルとなったテレビドラマ『オトナ女子』(フジテレビ)にCMを放映したところ、ライト層の獲得に成功した。さらに、App StoreとGoogle Playなどのランキングや、口コミやレビューサイトからの流入が続き、大きなタイトルとなっていった。
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