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コンビニ本部の「天気予報データいじくり説」は本当か:コンビニ探偵! 調査報告書(3/4 ページ)
夏が近づくと、コンビニのオーナーや店長は毎年のように頭を悩ます。というのは、季節商品である「冷やし麺」の発注は通常の弁当やおにぎりを発注するのとは少々勝手が違うからだ。今回は、冷やし麺発注の舞台裏を紹介しよう。
「本部が天気予報のデータを改ざんしている」という都市伝説
このように、店長は販売傾向と天気予報データと本部の机上の空論――この3つのことを踏まえながら冷やし麺の発注をしているのだ。しかし、この業界ではどこからともなく都市伝説のようなウワサが流れてくる。
「本部から配信される天気予報のデータ、いじっているんじゃないか?」
実は年に数回ではあるが、発注完了後に天気予報が大きく修正されることがある。それも決まって「暑い」から「涼しい」予報へと変わるから困ったものである。つまり、売れると見込んでいたモノが売れなかったり、廃棄ロスが増えたりする。
そもそも週間天気予報というものは、あまり信用できるものでもない。ここで、気象庁のデータを見てみよう。
ご覧のとおり、3日以降の予報には、信頼度を表すA、B、Cが表記されている。ちなみに、信頼度の各階級の内容は以下のとおり。
- A降水有無の適中率:平均86%
- B降水有無の適中率:平均72%
- C降水有無の適中率:平均56%
(気象庁「週間天気予報 信頼度」より一部抜粋)
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