阪神・金本監督のスパルタ式は、やっぱり時代錯誤なのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
阪神・金本監督の指導をめぐって、非難の声があがっている。一般的に「5回100球」が交代のメドとされているのに、エースの藤浪投手に161球も投げさせたのだ。監督の「懲罰登板」が大きな波紋を呼んでいるが、断行しなければいけない理由があったのではないだろうか。
鬼采配を断行しなければならない理由
金本監督の采配について、ネット上ではファンとおぼしき人たちから次のような怒りの声が上がっている。
「あんな球数を投げさせるなんて藤浪の体をぶっ壊すつもりなのか」
「藤浪に代打を送れば逆転できるチャンスがあったかもしれないのに、監督が勝負を放棄するなんてファンに対する裏切り行為」
「1人の先発投手の精神を鍛え直そうと最後まで完投させるゲームなんて練習試合じゃあるまいし、見たくはない」
「指揮官の暴走を止められないコーチもぬるま湯に浸っているんじゃないのか」
金本監督に対し、ブーイングを向けたくなる気持ちはよく分かる。だが、その半面で「なぜ、指揮官はこれほどの鬼采配を断行しなければならないのか」についての理由も把握しなければいけないと思う。広島に在籍していた現役時代から金本監督を良く知る古参OBに話を聞いたところ「アイツがブッ壊そうとしているのは間違っても藤浪の肩、ヒジなんかじゃない」と声を大にして言い切り、こう語気を荒げながら続けた。
「タイガースそのものをいい意味でぶっ壊し、全員が闘争心みなぎる“戦闘集団”に再構築させようと本気で考えているんだ。巨人と並ぶ全国クラスの人気球団でありながら、もう今年で11年もリーグ優勝から遠ざかっている。そんな強い危機感をチームOBのカネ(金本監督)は抱いて、球団からの指揮官就任要請を快諾し、引き受けたのだ。
そういう意識があるからこそチームを『超変革』に導くためなら、世間から批判を受けて泥をすするハメになることもアイツは覚悟している。つまり藤浪に最後まで投げさせたのもアイツなりの『闘魂注入法』だった。それが証拠として、アイツは各方面から批判されても何の反論、弁明も一切口にしていないだろう」
これに補足すると、金本監督は水面下でフロントからも2016年のシーズンは“育成期間”として容認されており、球団及び親会社阪急阪神ホールディングスの有力幹部たちからは「今季は優勝できなくてもいいし、最悪でCS(クライマックス・シリーズ)出場圏内のAクラス入りもしなくていい。その代わり、自分の好きなように徹底的なチーム改革を行ってくれ」とまで言われているという。ただし今季1年は我慢することと引き換えに「来年はその悔しさをバネに是が非でもVを奪えるチーム体制を作り上げてくれ」とも厳命されているそうだ。
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