小説もブログも Web上の作品を登録して作家デビューを目指す「ツギクル」β版公開
無料でWeb上の作品を発表し閲覧できるポータル「ツギクル」のβ版がオープン。先行して小説とブログの登録受付を行い、16年秋の正式オープンからAIによる作品分析などの各種機能提供を予定する。
ソフトバンクのグループ会社ツギクルは7月26日、小説などの作品を無料で公開・閲覧できるポータルサイト「ツギクル」β版を公開した。ユーザーが作品を投稿するだけではなく、既存のWeb上の作品やブログなどを登録することも可能なのが特徴だ。まず小説とブログの登録受け付けを行い、今秋に正式オープンする予定。
ツギクルは、Web上に公開されている既存の小説やブログなどの作品を登録できるサービス。「小説家になろう」「エブリスタ」「カクヨム」といったWeb小説プラットフォームと同じく、ツギクル上に作品を投稿することも可能だ。投稿や作品の閲覧は無料で、会員登録(無料)すれば作品登録や編集、お気に入り登録や投票、感想などを投稿できる。
「ツギクル」が既存の小説投稿プラットフォームと異なるところは、一般的にプラットフォーム内で完結するランキング機能が、他サイトから登録した作品も含めた形で反映する点だ。「小説家になろう」など他サイトに公開されている作品も、登録すればツギクルのランキング上に人気に応じて掲載される仕組みだ。
収益モデルは人気登録作品の書籍化。ランキングで一定の評価を得た作品は、クリエイター自ら出版申請を行うことができる。ライトノベルなどを刊行している親会社・SBクリエイティブと協力し、専用レーベル「ツギクルブックス」(仮称)から刊行していく。また、オリジナルの小説大賞を設け、作家デビューの機会を増やす。
今秋の正式オープン後には、テクノロジーを活用した作品分析機能も提供する予定。登録した作品の分析を依頼すると、数日後に「類似した作品」や「作品の構成要素」、あるいは「文章の読みやすさ」などをAIが分析した結果を見ることができるのだという。AIにはAIREVのテキスト解析エンジン (自然言語処理、機械学習、テキストマイニングなど)「Cohaku」を採用する見込みだ。
ツギクルはソフトバンクグループで出版事業を手がけるSBクリエイティブの完全子会社。新サービスを担う新会社として今年4月15日に設立された。
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