価値生産時間について:1週間で100時間(1/3 ページ)
ビジネスとは、価値と対価の交換である。1日の全労働時間のうち、実際に価値生産に充てられている時間はどれぐらいだろうか。
著者プロフィール:竹林篤実(たけばやし・あつみ)
東大寺学園高校卒業、京都大学文学部卒業。印刷会社営業職、デザイン事務所ディレクター、広告代理店プランナーなどを経て、2004年にコミュニケーション研究所の代表。ブログ:「だから問題はコミュニケーションにあるんだよ」
ビジネスとは、価値と対価の交換である。従って仕事とは、何らかの価値を生み出して顧客に提供する結果、価値に見合った対価を得る行為といえる。そこで考えてみたいのが、自分の価値生産時間である。1日の全労働時間のうち、実際に価値生産に充てられている時間はどれぐらいだろうか。
100時間vs40時間
起業を志し、大きな成功を望むのなら、人一倍の努力が必要。そう言われれば、何となくその通りだと思うだろう。
「成功したいのなら、1週間に100時間働け」と言ったのは、テスラ・モーターズの創業者イーロン・マスクだ。彼の教えに従うためには、まず7日間休みなく働かなければならない。それでも一日あたり14時間強働くことになる。これだけのハードワークをこなすとなると、睡眠時間も最低6時間は必要だろう。残りの4時間ほどで3食をとり、シャワーを浴びてとなると、他に何かする時間はほとんどない。実際、イーロン・マスクは「起きている時間をすべて働くことにささげる」と語っている。
一方で、生産性を高めるためには、週40時間が良いという説がある。ブログの記事で見かけた理屈だから真偽の程は定かではない。その記事には「長年の貴重な諸研究により、労働時間が週40時間以上になると生産性が著しく低下することが実証されています」と記されてもいた。実証されているのなら、元ネタを教えてほしいと思うけれど、そこまで望むのは難しいか。
イーロン・マスクが週に100時間働いて、生産性が落ちたということはないはず。では、週100時間説と40時間説について、どう受け止めればよいだろうか。
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