価値生産時間について:1週間で100時間(2/3 ページ)
ビジネスとは、価値と対価の交換である。1日の全労働時間のうち、実際に価値生産に充てられている時間はどれぐらいだろうか。
朝4時起きはハードワークか?
筆者も、実はハードワーキングが決して嫌いではない。というか、知人からはハードに仕事をしていると思われているかもしれない。朝は4時ぐらいから仕事を始めている。もっとも夕方5時ぐらいには嫌になっている。いやんなると、目の前にひえひえに冷えたビールグラスが浮かんでくる。
AM4時に起きるからといって、PM5時までびっちり仕事をしているわけではない。そんなことをしたら持たないであろうことは、感覚的に理解している。だから、朝は2時間ほど集中したら走りに行き、シャワーして朝ごはんを食べて、次の仕事にかかる。
そこから11時ぐらいまでがんばったら、お昼ごはんの時間である。早起きして走ったりするから、お腹も早く空く。ごはん屋さんの開く時間が、大体11時半。一番に入るとお店もすいているので、ゆったりと食べられる。
食事から戻って13時前ぐらいから午後の仕事にかかり、時に15分ほど居眠りをはさみながら17時ぐらいまで、もうひと踏ん張り。
4時から17時となれば13時間だが、そのうちの4時間ほどは仕事をしていない。実労働時間は8時間ぐらいだろう。と思っていたら、これが大違いだった。
仕事時間と仕事品質の関係
40時間以上仕事をすると効率的ではない。そう言い切られると、いささか不安になる。フリーランスとして仕事をしている以上、仕事量を減らすことは売上減少、すなわち実入りがそれだけ減ることを意味する。
従って、仕事は受けられるだけ受ける主義である。取材日時がバッティングしてしまってはどうしようもないが、それ以外のケースなら、なるべくオファーは断らない。土日などに取材を打診されると、他の仕事とカブる心配がないから喜んで受けてしまったりする。
そんな日々を送っていると、当然、一週間に40時間以上働いている。自分ではそう思っていた。けれども、それで効率が落ちているとすればどうなるのか。
書き仕事で効率が落ちると、原稿のクオリティに悪影響が出るのではないか。自分では「やっつけ」仕事だけはやるまいと決めている。一度でも、依頼主から「手を抜いた」と思われたら、次の仕事はないからだ。相手のクライテリアに照らし合わせてみて「このレベルではダメですな」と言われるのなら、それは仕方がないこと。最善を尽くしても、手の届かない世界のあることは分かっている。
だから、がんばっているつもりなのだが、知らず知らずのうちに『書く・チェックする・書き直す・推敲(すいこう)する』レベルが甘くなっていることはないのか。40時間以上働いているがためにクオリティが落ちているとすれば、それは問題である。
関連記事
- 「為せば成る、為さねば成らぬ」とは、どういうことか
「為せば成る、為さねば成らぬ何事も」とは、上杉鷹山が家臣に与えた家訓である。この言葉は「できそうにないこともその気になってやり通せばできる」と解釈される。本当に、できるようになるのだろうか。 - プロになる目安は1万時間
ビートルズがブレイクした秘密は無名時代の“1万時間”にあったという。名付けて“魔法の1万時間”。何かに秀でるために最低限必要な時間をどうやってひねり出せばよいだろうか。 - 誰が、次のイーロン・マスクになれるのか
世の中には、先天的にきわめて高い能力を持っている天才児がいる。そんな子どもが、物理学と経営学を学び、1週間100時間のハードワークをこなし、「人類を救う」強い意志を持っていたら、どうなるか。イーロン・マスクになる。 - なぜロボットはコップを持てないのか(人にはどんな仕事が残るのか)?
Googleが開発した囲碁AI「AlphaGo」が、韓国のプロ棋士イ・セドル氏を破った。ディープラーニングは、すさまじい勢いで進化している。では進化するAIがロボットに搭載された時、ロボットはどこまで人の代わりを務められるのだろうか。
関連リンク
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.