あなた「らしさ」とは? このように聞かれてどう答えますか:「売れる商品」の原動力(1/4 ページ)
「自分らしく」「うちの会社らしく」など、しばしば私たちは「らしさ」という言葉を、使います。ところが「では、あなたらしさとは?」と問われると、案外、答えはスラスラと出てこないものです。
集中連載:「売れる商品」の原動力
この連載は、書籍『「売れる商品」の原動力―インナーブランディングの思想』(論創社)から一部抜粋、再編集したものです。
元電通社員として、数多くの新商品の開発・事業戦略の構築に関わった著者が、キーワード“誇りと愛着”を駆使して、ジェクトワン・ニビシ醤油・伊那食品など成功企業の秘密を解明。
企業や地域といった組織が、永続的な発展に向けて取り組むべきことを分かりやすく紹介します。
幸福に直結する「らしさ」
「あなたらしさ、とはなんですか?」。そう聞かれたとき、どういうふうに思いを巡らせるでしょうか。この問いの「あなた」を、「あなたの会社」「あなたのお店」「あなたの売る商品」「あなたの住む地域」に置き換えたらいかがでしょう。
「らしさ」という言葉を、私たちはしばしば口にします。“自分らしく生きたい”と願うこともあるでしょうし、“君らしくやればいいよ”と誰かを励ましたこともきっとあるでしょう。“うちの会社らしくやろう”と言う経営者もいらっしゃるでしょう。それでいて、冒頭のように「では、あなたらしさとは?」と問われると、人は案外、スラスラとは答えが出てこないものです。
私のオフィスに持ち込まれる案件は、例えば、会社のブランド力を上げたい、商品力を上げたい、地域の魅力を向上させたい、というようなことがらです。
ところが、「では、“御社らしさ”ってなんですか?」と尋ねると、意外にも実はそこが認識できていない、見えていない、そういう企業が少なくない。経営者自身からもすぐに答えが出てこなかったり、社員によって答えがまちまちだったりします。
企業だけではありません。学生やビジネスパーソンと話している際も、「ところで、“あなたらしさ”ってなんですか?」と聞くと、大抵の人はやっぱり「えーっと……」と考え込んでしまう。つまり、そういうことを日頃あまり考えたり意識していないのだと思います。
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