異色のテクノロジー番組『徳井バズる』は若手2人の“社内副業”で生まれた 思いを形にするコツは?(1/3 ページ)
「遊べる学べるテクノロジー」をコンセプトにMBS毎日放送で始まった番組『徳井バズる』。ロボホンやPepperが出てきたかと思えば、デリケートな部分をナデると反応してくれる等身大抱き枕なんてものも登場する。番組の誕生秘話を、毎日放送(MBS)のプロデューサーと営業マンに聞いた。
「遊べる学べるテクノロジー」――そんなフレーズを掲げて毎日放送(MBS)で始まった番組がある。お笑い芸人・チュートリアルの徳井義実さんをメインMCに据えた『徳井バズる』(全3回予定)だ。
7月15日に放送された第1回は、ゲストにスピードワゴンの小沢一敬さんを招き、古民家でロボット「Pepper」とともに進行。会話ができるロボット「ロボホン」やスマートハウス、漫才ネタやCMを制作できる人工知能(AI)──などを特集。マジメにテクノロジーを取り上げる番組なのか……と思いきや、デリケートな部分をナデると反応してくれる等身大抱き枕なんてものも登場した。
この番組、本気なのか、それともふざけているのか? 新番組を生んだのは、アラサー若手社員2人による“社内副業”だ。番組の狙いや経緯をMBSの営業マン、真田昌太郎さんとプロデューサー、亀井博司さんに話を聞いた。
目指したのは“テクノロジーで大喜利”
「『ドローンの活用』と言っても、興味がない人にはピンと来ない。でも、『ドローンでブラジャーのホックを外す』と言ったら、『なんだそれ!?』と引き付けられるんじゃないか」(亀井さん)
お前は何をいっているんだ……と思わず言いたくなるが、亀井さんは真剣だ。もともと最新テクノロジーやアニメが大好きだった亀井さんは、テクノロジーを扱った番組にもどかしさを感じていたのだという。
「バラエティー番組は『面白いけど中身がない』、一方でテクノロジー番組は『内容が充実しているけど難しい』となりがち。ベンチャーやテクノロジーは面白いもの。興味がない人にも分かりやすく楽しめて、興味がある人も『おっ』と思ってもらえる、テクノロジーで“大喜利”をするような番組作りができたら」(亀井さん)
そこで考えたのが『徳井バズる』だ。「家電芸人」として有名でテクノロジーにも関心のある徳井さんをMCに立てて、バズる(ネットで話題になる)ようなトピックを紹介するバラエティー番組。
「ゲストの小沢さんは普段あまりテクノロジーに親しんでいないので、視聴者と一緒に世界に導入していく役割を担ってもらっている。徳井さんと小沢さんはプライベートで同居していつもコミュニケーションをとっているので、2人の独特な世界観があってトークも面白い」(真田さん)
好対照の2人に紹介してもらうテクノロジーは、見て分かりやすいもの、トンがっているもの。
「スポンサーのトピックを中心に据えながら、関連するテクノロジーで面白いものをリサーチした。AIだったら、人工知能学会にコメントをもらいつつ、漫才するAIやニュースを作るAIを紹介。トータルで見て内容の濃い番組を目指した」(真田さん)
視聴者の反応はというと、賛否両論だ。「めっちゃ面白い」「ロボホンかわいい!」といった肯定的な声もあれば、「才能の無駄遣い」といった反応も。
「ネットでの評判に関しては、無名よりも悪名。どんなコメントであっても、ちょっとでも見てもらえた、情報が浸透しているという証だと思っている」(亀井さん)
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