願望系でリードする(2/2 ページ)
プロジェクトが山場を迎えたり予期せぬ問題が連発して、仕事量や精神的プレッシャーが増えてくると余裕がなくなってきます。苦しいときこそリーダーは「●●したい」と願望系で語り掛けましょう。
「●●すべき」より「○○したい」という言い方
チーム内のコミュニケーションミスが多いことを訴える場合も、「もっと各自が○○なところに注意して取組むべきだ」と発言するより、「このチームを、もっと○○な感じにしていきたいですよね〜」と願望系で発言した方が響きがいい。
人の感情を意識してマネジメントをするなら、自分を主体とした「I(アイ)メッセージ」を心掛けるべきです。
チームをまとめるために、リーダーとしてスケジュールを引いて、タスクを分担し、課題を一覧化して――と管理しても、しょせんすべてを把握・管理することは不可能。各メンバーが主体的に問題を予見・発見し、対策を講じていくチームを作ることが必要です。
そのためにはチームの雰囲気が大切で、リーダーの求心力が不可欠。人は主体的に仕事を楽しんでいる者の周りに集まるもの。そしてリーダーの態度が、チームの雰囲気を決めます。
それを突き詰めていくと、「リーダーが仕事を楽しんでいること」を醸し出すことが必要で、それが伝わると、自然と主体的なチームが形成されるのだと思います。
願望系で仕事を主体的に楽しんでいるリーダーを演じる。「演じる」といっても、それは虚構を演じていくわけでなく、実際そういった発言を心掛けると、リーダー本人も自ずとその気になってくるもの。
リーダーが眉を細め、にらみをきかせて管理しようとしても、できることなど限られています。きついときにこそ、正論を吐いてハッパをかける代わりに、「〜したい」と願望系で語り掛けましょう。(泉本行志)
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