シェイクシャックは日本で「第二のスタバ」になれるのか?:消費トレンドから見る企業戦略の読み解き方(1/4 ページ)
昨年11月に日本初上陸したニューヨークの人気ハンバーガーショップ「シェイクシャック」が国内出店を加速させている。本国でもいまだ行列ができるシェイクシャックの強さとは一体何だろうか?
消費トレンドから見る企業戦略の読み解き方:
日々刻々と変化する市場の中で、ある企業は成長を遂げ、またある企業は衰退していく。これらの“差”を生みだす要因とは。20年以上にわたって消費トレンドと企業戦略の関係について分析してきたJMR生活総合研究所による連載をお届けします。
2015年11月、米国・ニューヨークで人気のハンバーガーショップ、「シェイクシャック(Shake Shack)」が外苑銀杏並木(東京都港区)に日本1号店をオープンした。今年4月には恵比寿、今秋には有楽町に出店する。2020年までに国内で10店舗を開業予定だ。
シェイクシャックは好業績が続いており、2016年の売り上げ見通しを当初予想の2.42億ドル(約254億円)から2.45〜2.49億ドル(約257億円〜261億円)に引き上げた。
日本での展開は、米コーヒーチェーン「スターバックス(Starbucks)」の日本導入を成功させた実績を持つサザビーリーグが独占契約を結んだ。スターバックスの参入は、日本で喫茶店や低価格コーヒーチェーンとは異なる新しい市場を作り、市場全体を活性化させた。シェイクシャックは日本のハンバーガー市場で新しい市場を作れるのか、その可能性と条件を探ってみたい。
シェイクシャックの強さ
シェイクシャックは、2001年にニューヨークのマディソン・スクエア・パークにホットドッグカートを出店したのが始まりで、創業は2004年。2015年1月には、ニューヨーク証券取引所に上場した。現在、世界9カ国に78店舗を展開、急成長を遂げている。
日本でも進出から8カ月が経過したにもかかわらず、外苑銀杏並木店には週末になると長い行列ができている。ラーメン屋やデパートのセールなど日本人は元々行列好きと言われるが、ニューヨークの1号店もいまだに平均1時間待ちの行列ができているという。
長い列に並んででも食べたいシェイクシャックのビジネス上の強さは3つある。
関連記事
- 年内に100店舗を計画 「相席屋」が事業を急拡大している理由
最近、繁華街で居酒屋チェーン「相席屋」の看板を見る機会が増えていないだろうか。2014年に1号店をオープンして以来、破竹の勢いで右肩上がりに売り上げや店舗数を伸ばしているのだ。さらには「マッチング」をキーワードに新たなサービスにも乗り出した。同社の取り組みに迫る。 - なぜ今“昭和型”コーヒーチェーンが増えているのか
コンビニコーヒーなどに押されて苦戦を強いられてきた「喫茶店市場」。しかし、ここ数年でV字回復の兆しを見せているのをご存じだろうか。そのけん引役になっているのは、西海岸風のオシャレな1杯……ではなく、日本の昔ながらの“昭和型”喫茶店だ。 - 高級バーガー「カールスジュニア」が1号店に秋葉原を選んだわけ
米国カリフォルニア発のハンバーガーチェーン「カールスジュニア」が3月4日に日本1号店をオープンする。場所は、海外飲食ブランドの出店ラッシュが続く表参道〜渋谷エリアではなく秋葉原だった。 - リンガーハットが、24億円の最終赤字から「復活」できた理由
「長崎ちゃんぽん」でおなじみのリンガーハットが好調だ。今期の業績予想は売上高395億円と、6期連続の増収を見込んでいる。そんな同社だが、実は過去10年間で4度の最終赤字を計上しているのだ。そこからどのような復活劇を遂げたのだろうか? - なぜテレビ局はダメになったのか? 変わる視聴率競争
テレビ局を取り巻く経営環境は厳しさを増している。この背景には、長年にわたりテレビ局と「蜜月の関係」を築いてきた広告代理店が彼らを見限り始めていることが大いに関係するという……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.