マーケティングの因数分解 3つの「C」とは(2/3 ページ)
「絶対うまくいく」と思って始めたビジネスがうまくいかないことは多々ある。そんなときはどこが悪かったのかを考えてみよう。考えるガイドになるのが、マーケティングの因数分解だ。
「価値>対価=取引成立」の大原則
これがマーケティング方程式のイロハのイである。つまり顧客からみれば、自分が支払った対価以上の価値を手に入れることができれば、そのビジネスは成功である。価値を提供してくれた相手に対して感謝するだろうし、取引を継続する可能性が高まるに違いない。
これが逆の場合なら、「次」はない。例えば、ちょっと奮発して評判のフレンチに行ったものの、QSCAの総合評価が支払った料金に見合っていないとなれば、次はないはずだ。ちなみにQSCAとはQuality(料理)、Service(接客)、Cleanliness(清潔感),Atmosphere(雰囲気)のこと。
ただ難しいのは、価値と対価のバランスが、B2BとB2Cでは大きく異なることだ。B2Bの場合は基本的に極めてクリアである。すなわち価値とは投資対効果である。従って支払った対価(投資)以上の効果を得られるかどうかで、取引が行われるかどうかが決まる。投資対効果が数字的に明らかにならないと、まず稟議(りんぎ)を通らない。
ところが、B2Cの場合は、価値観は個人によって異なる。同じフレンチで同じメニューを頼み、同じようなサービスを受けて、同じ代金を支払ったとしても、「めっちゃ良かったやん」と「二度とないな」に別れたりする。これがB2Cビジネスの難しさだ。とはいえ、これも考え方である。仮にフレンチを経営するなら、自分の店はどんな客をターゲットにするのかを、明確に打ち出せばよい。そこを曖昧にして、というかスケベ根性を出して、あらゆるお客さまに好かれる店などと考えると、どんなお客さまからも好かれることのない店(=特徴のない店)になってしまう。
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