コンビニで働く人の不満を解消すれば、ヒット商品が生まれるかもしれない:コンビニ探偵! 調査報告書(2/5 ページ)
コンビニの仕事に、棚の奥にある商品を前に出してキレイに並べる「前出し」という作業がある。人の第一印象は数秒で決まると言われているが、それはコンビニの商品も同じ。今回は、商品の並べ方が売り上げにどう影響するのかを考えてみたい。
売り上げに影響するのは前出しよりもサイズ
むしろ売り上げに影響するのは、前出しよりも商品の大きさや形状ではないかと筆者は考えている。
コンビニの陳列棚は、高さを細かく調節できるようになっている。カテゴリーごとに商品の大きさはある程度決まっているので、通常業務において棚を動かす必要はほとんどないのだが、コンビニでは多くの新商品が毎週のように入ってくるので、それらの大きさによっては棚を上下に動かさなければいけない。というわけで、たまにイレギュラーな大きさの商品が入荷すると、とてもやっかいなのだ。
正直に言って、めんどくさい。想像してみてほしい。棚を1段動かすために商品を全部下ろして、棚の位置を変えてからまた商品を並べ直さなくてはならない。慣れている人は商品を乗せたまま高さを調節することもできるが、飲料のように重量がある商品の棚だと難しく、ひとまず全部下して……という手順になる。
こういう事情もあってか、中には商品カテゴリーを無視した陳列をする店もある。ある店ではコーヒー飲料の1リットルサイズのペットボトルを、ソフトドリンクの棚ではなく、同じ大きさの紙パック飲料の棚に並べていた。
確かに大きさはピッタリなので「同じ大きさの商品を並べる」という意味ではうまく収まっているのだが、実は同じコーヒー飲料でも、紙パックを買う人とペットボトルを買う人とでは見る場所が全く違う。
今でこそ種類が増えたが、一昔前は紙パック飲料の棚にあるコーヒーは「雪印コーヒー」くらいしかなかった。普段からコーヒーを買う人はそれを知っているので、紙パック飲料の棚には見向きもしない。こういうお客さんの消費行動を無視して陳列をないがしろにすると「売れるはずだったモノが売れなかった」という事態を招く。同じ商品でも、ペットボトルのコーナーにきちんと並べた店とは売り上げに差がついたのだった。
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