“王者”セブン-イレブンが合併を必要としないワケ:コンビニ探偵! 調査報告書(1/4 ページ)
飽和状態となったコンビニ業界は再編の時代を迎えた。大手コンビニの合併・出店争いの話題が絶えないが、セブン-イレブンの合併に関する話はほとんど聞かない。合併しなくてもセブンが1位であり続ける理由について考えてみよう。
コンビニ探偵! 調査報告書:
「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」……だけど、タフであり続けることも、優しくあり続けることも、簡単ではない。
ほとんどの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。ニュースやデータからコンビニで何が起きているのかを、推理して、調査して報告します。筆者は大手コンビニの元本部社員、元コンビニオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?
このところ、大手コンビニが店舗数1位の座を手にするために、“合併&出店争い”がよく話題になっている。中でも、合併に積極的なのはファミリーマート(以下、ファミマ)とローソンだ。
一方、セブン-イレブン(以下、セブン)については、そういう話はほとんど聞かない。今までも、そしておそらくこれからもないだろう。なぜなら、合併など必要としない確固たる実績があるからだ。
今やすっかり飽和状態となったコンビニ業界は再編の時代を迎えた。そんな中、セブンが1位であり続ける理由は何なのかを考えてみよう。
統一した「ファミマ」、ダブルネームブランドの「ローソン」
セブンについて考える前に、まずは他のコンビニチェーンの動きをおさらいしよう。ファミマはサークルKサンクスとココストア、ローソンはスリーエフとポプラとの資本業務提携を発表、すでに動き始めている。
興味深いのは、看板を統一するファミマに対し、ローソンは「ローソンスリーエフ」「ローソンポプラ」など、ダブルブランドで展開していることだ。現在でも、ローソンは健康志向に特化した「ナチュラルローソン」や、「バリューローソン」と「SHOP99」を合併した「ローソンストア100」を展開・運営している。
いままでのコンビニは「全国統一」のイメージが強かった。しかし、ローソンが実施するダブルブランド展開は、既存の各ブランドファンのみならず、オーナーの「おいおい。なんだか知らないが、本部が勝手に身売りなんか決めたら看板が変わっちまうよ」という、フランチャイズチェーンならではの悩みも一部解消することになるだろう。
今回のケースからも、ローソンが単独ネームに対してこだわり過ぎていないことがよく分かる。今後もダブルネームブランドを継続していくのかどうかは分からないが、ローソンらしい策と言えるだろう。
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