コラム
長時間労働で精神的につらい人が知っておきたい社会保険活用法:マネーの達人(2/5 ページ)
「長時間労働で肉体的にも精神的にもつらい……」という人には休息が必要です。今回は、知っておきたい社会保険の活用法をお教えします。
うつ病の背景にあるのは慢性的な睡眠不足
長時間労働に起因してうつ病が発症するのは、長時間労働を続けているとその分だけ帰宅時間が遅くなり、慢性的な睡眠不足になるというのが理由の1つになるようです。
例えば、月に20日出勤する人が月に100時間の残業をする場合、「100時間÷20日=5時間」になります。1日の勤務時間が8時間と仮定すると、これと併せて1日に13時間働く計算になります。勤務時間が午前9時から午後6時の場合は午後11時に退社することになり、それから家に帰るまでの時間などを考えると、必然的に睡眠時間は短くなってしまいます。
実際、彼女は「眠りたい以外の感情を失った」とツイートしており、かなりの睡眠不足であったことが推測できます。長時間労働でうつ病を発症したら、まずはゆっくり休養をとること。できれば休職することが大切なことだと私は思います。
業務上は労災保険、業務外は健康保険を活用する
正社員、パートやアルバイトなどの非正規社員は原則的に「労働者災害補償保険」(以下、労災保険)に加入します。これに加えて、正社員であれば原則的に協会けんぽや組合健保といった「健康保険」に加入します。
2種類の公的な医療保険に加入するのは、ぞれぞれの役割が違うからです。
労災保険
業務上の病気やケガ(労働災害)、または通勤途上の病気やケガ(通勤災害)などに対して保険給付を支給します。
健康保険
業務外の病気やケガなどに対して、保険給付を支給します。
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