幸楽苑ホールディングスは10月28日、2017年3月期の業績予想を「未定」に変更したと発表した。静岡県の店舗でラーメンに指の一部が混入していた問題の影響で売り上げ減を見込む上、再発防止策としてコスト増加が予想されるなど、「影響を合理的に見積もることができないため」としている。
経営責任を明確化するため、新井田傳社長の月額報酬を5カ月間50%カットするなど、役員報酬の減額処分も発表した。
この問題では、9月に静岡県の静岡清水インター店(静岡県清水区)で提供したラーメンに、パート従業員が誤って切断した左手親指の一部が混入していたことが発覚。その後の対応や情報公開の姿勢にも批判が集まり、27日には全店を一斉休業し、衛生・安全教育を徹底する緊急店長会議を実施していた。
当初、17年3月期の連結売上高は382億円、営業利益は10億5200万円と予想していた。客離れ、対策コスト増が響き「結業績予想の達成に多大な影響が生じる見込み」として、見通しをいったん白紙にする。
同社は「食の安全を何よりも重要なこととして、お客様が安心できる商品の提供と業績回復に全社を挙げて全力で取り組む」としており、業績予想は公表が可能となった時点で速やかに開示するとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なぜ「ゴキブリ1匹」でペヤングは消えたのか
「ペヤングからゴキブリ出てきた」というクレームを受け、まるか食品が全商品の生産中止に踏み切った。同時期に、日清食品でも同じような騒動あったのにもかかわらず、大きな問題に発展しなかった。なぜまるか食品ばかり叩かれるのだろうか?
ネット告発で炎上するケース、しないケース……その違いとは?
企業の不祥事に対して、SNS上でクレームを行う「ネット告発」が増えている。ただ、すべてのネット告発が企業に影響を与えるわけではない。炎上するケース、しないケース、両者の違いは何か。
異物は? 入っていません! ローソンの中国工場に潜入してきた
マクドナルド中国工場での“事件”は記憶に新しい。床に落ちているチキンをひろって再び製造ラインに放り込んだわけだが、そのほかの工場はどうなのか。今回は特別な許可をいただいて、ローソンの上海工場を潜入することに。そこで見たものは……。
