急成長する「ミールキット・デリバリー」が、米国でウケている理由:来週話題になるハナシ(1/3 ページ)
「ミールキット」をご存じだろうか。自宅で料理がすぐできるように、あらかじめレシピに合わせて必要な分量の食材や調味料などがセットされている。ネットで好みのメニューを選んで注文すると、箱に入ったミールキットをデリバリーしてくれるビジネスが急成長しているのだ。
来週話題になるハナシ:
24時間365日、いまも世界のどこかでユニークで刺激的な話題や新しいトレンドが次々と生まれている。だが、大半は情報としてこぼれてしまっている。そんなメインストリームでない情報こそ、ビジネスで使えるネタが詰まっているのではないだろうか。
そこで、情報感度の高いビジネスパーソンならば、ぜひとも押さえておきたいトレンドや話題をちょっと先取りして紹介したい。プライベートにビジネスに、ちょっとしたインスピレーションのネタとして、役立つハナシを探るコラム。
「ミールキット」というのを聞いたことがあるだろうか。
米国のベンチャー企業といえば、米西海岸のシリコンバレーに拠点を置くIT系企業をイメージする人が多いだろう。しかし、最近では東海岸のニューヨークやボストンなどからもIT系ベンチャー企業が数多く生まれている。
そして今、東海岸発のベンチャー界で、特に注目されている分野がある。ニューヨークを中心に発展する食関連のIT系ベンチャー企業だ。そんな中でも話題なのが、近年ブームとなっている「ミールキット」のデリバリーサービスだ。
「ミールキット」とは一体どういうものなのか。「食事」を意味する「ミール」と、「一式」の意味である「キット」という単語を合わせた「ミールキット」は、自宅で料理がすぐできるように、あらかじめレシピに合わせて必要な分量の食材や調味料がセットされたもの。ネットで好みのメニューを選んで注文すると、箱に入ったミールキットをデリバリーしてくれるビジネスが急成長しているのだ。
この便利なミールキットのデリバリーサービスを2012年に立ち上げ、業界トップを独走しているのが、ニューヨークの「Blue Apron(ブルー・エプロン)」である。
同社は、2015年に企業価値評価が20億ドルになっており、1億3500万ドルもの資金調達に成功している。創業当時は、月に20セットしか売れなかったというミールキットも、現在では月に800万セットを発送するほどになったという。
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