急成長する「ミールキット・デリバリー」が、米国でウケている理由:来週話題になるハナシ(2/3 ページ)
「ミールキット」をご存じだろうか。自宅で料理がすぐできるように、あらかじめレシピに合わせて必要な分量の食材や調味料などがセットされている。ネットで好みのメニューを選んで注文すると、箱に入ったミールキットをデリバリーしてくれるビジネスが急成長しているのだ。
ミールキット・デリバリーが急成長している背景
いま米国でミールキット・デリバリーが急成長している背景には、いくつかの理由があるようだ。
まず、ミールキット・デリバリーは、ヘルシー志向になりつつある米国人のライフスタイルに、うまくマッチしている。
米国では都市部を中心に、ヘルシーな食事が好まれるようになってきており、オーガニックや地元の新鮮な食材を使った「ホームメイド系」料理のニーズが高まっている。
そのため、デリバリーで届く新鮮な食材や調味料を使って、同封されているレシピ通りに調理するだけでプロ並みの料理が自宅で作れるミールキットは、食にこだわりを持つターゲット層にウケているのだ。
さらに、「Blue Apron」は150軒もの農家と直接契約して、スーパーよりも新鮮で高品質な食材や珍しい食材を提供できる仕組みを作り上げている。それもまた人気が高まっている理由となっている。
ミールキット・デリバリーの魅力は、他にもある。
忙しい現代人にとって、一番の魅力は効率がいいことだ。いちいち買い物に行く手間がかからないし、時間も節約できる。珍しい食材が必要なメニューが食べたくなっても、お店をハシゴして材料を探す必要はない。デリバリーで一度にすべての材料がそろうからだ。クルマを持っていない人にとってもかなり便利だ。
その上、ミールキットには必要となる分量の食材がセットされているので、食材を使い切れずに捨てるなんていう心配もない。しかも調味料も必要な分量だけがパッケージになっているので、計量する手間もいらないのだ。
デリバリーで届いた箱を開ければ、すぐに料理が始められる。また、夕食のメニューに頭を悩ませる必要もなくなるし、作ったことのない新しいレシピにもチャレンジしやすいという魅力もある。
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