富士重工業は11月2日、汎用エンジンなどを含む産業機器事業から撤退すると発表した。来年9月末で生産・販売を終了し、リソースを自動車開発部門の強化に振り向ける。
同事業では、1951年に旧大宮製作所(当時は大宮富士工業)が「M6型エンジン」(540cc)の生産を開始して以来、建設機械や農業機械などに搭載する汎用エンジンや、スノーモービル用などの車載用エンジン、発電機などを生産・販売してきた。今年9月には汎用エンジンの生産が累計3300万台を超えた。
だが中期計画で掲げる「スバル」ブランドの強化を加速するため、中核の自動車事業で開発リソースの増強が重点課題になっており、事業ポートフォリオを総合的に検討した結果、産業機器事業からの撤退を決めた。
一部の車載用エンジンは、顧客との供給計画満了まで生産を続ける。中国で生産委託している一部機種のエンジンは、生産継続の意向を受けて各社へ技術譲渡する。
関連記事
- スバル新型「インプレッサ」発表 予約すでに6000台
スバルの新型「インプレッサ」が正式発表。すでに約6000台の予約が入っているという。 - スバル、軽自動車の生産54年の歴史に幕――最後の1台は軽商用車「サンバー」
富士重工業は2月29日、軽自動車の生産を終了した。群馬製作所本工場は、SUBARU BRZの生産拠点に生まれ変わる。 - 富士重工、社名を「SUBARU」に変更 17年4月から
自動車メーカーの富士重工業は来年4月1日に社名を「SUBARU」に変更することを決議した。グローバル展開を推し進める。 - 北米で絶好調のスバル、しかし次の一手が難しい
年間100万台の生産――これは小規模な自動車メーカーの1つの挑戦目標となっている。この数字に挑もうとしているのがスバルだ。北米マーケットでは「アウトバック」が好調。だが、目標達成に向けてはいくつもの壁を乗り越えなくてはならない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.