「ライザップ=痩せる」だけではない。新たな取り組みは?:ライザップに挑戦してみた(4/4 ページ)
「ライザップでトレーニングを積めば、2〜3か月で痩せることができる」といったイメージをもっている人が多いだろうが、実は新たなことに取り組んでいる。それは「健康」。どのような取り組みかというと……。
「ライザップ=健康」というイメージ
今では、医療機関を受診した患者の中で「痩せたほうがいい」という人がいた場合には、ライザップに紹介する流れもあるという。痩せなさい、と言われても、やり方が分からない人も多い。一人では難しいこともある。そこでライザップを活用してもらうのだ。
実際、高血圧、高脂血症などの薬を5種類も飲んでいた患者が、ライザップのプログラムを通して痩せ、血液検査の結果がよくなって薬を飲まなくなった、などという実例も出てきているそうだ。
もうひとつ、注目がシニア向けの健康プログラムだ。筋肉は何もしなければ衰えていく。身体機能の維持・向上にライザップを活用してほしいということだ。
実際、医療費の半分以上はシニアによるもの。シニアの健康は40兆円に達する医療費に大きな影響を及ぼす。シニアこそ健康になってもらわないといけない。病気を防がないといけないし、寝たきりを防がないといけない。
本当の寿命と、介護を受けたり寝たきりになったりせずに日常生活を送れる「健康寿命」の間には10歳ほどのギャップがあると言われる。この健康寿命を延ばすために、ライザップにできることがある。筋力トレーニングしかり、食事しかり、だ。
もとより肥満は万病のもと、と言われる。糖尿病も潜んでいる。肥満を意識することは、病気リスクを低減させることであり、それはひいては社会問題となっている医療費削減にもつながる。一人ひとりの健康は、実は社会貢献なのだ。そのために、国民一人ひとりの健康リテラシーを上げていくことも、取り組みとして進めていく。
今後は「ライザップ=健康」のイメージを、どんどん大きくしていきたいと考えているという。ダイエットの先にある「健康」へのコミットを目指すのだ。
プロフィール:上阪徹(うえさか・とおる)
1966年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学商学部卒業後、リクルート・グループなどを経てフリーランスのライターとして独立。最前線のビジネス現場から、トップランナーたちの仕事論を分かりやすく伝えるインタビューを得意とする。雑誌や書籍などで執筆するほか、取材で書き上げるブックライター作品も70冊以上に。取材相手は3000人を超える。
著書に『ライザップはなぜ、結果にコミットできるのか』『やり直し・差し戻しをなくす できる人の準備力』『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』『なぜ気づいたらドトールを選んでしまうのか?』『なぜ今ローソンが「とにかく面白い」のか?』『成功者3000人の言葉 人生をひらく99の基本』『職業、ブックライター。』など。
関連記事
- なぜ人は太るのか 「ロジック」を理解していれば痩せられる
「飲み会が続いていて、お腹が出てきた」「毎日3食きっちり食べると、太ってしまう」という人も多いのでは。筆者の上阪徹氏は「ライザップ」に挑戦し、ダイエットに成功するわけだが、プログラム終了後も体重は増えていないという。その理由は……。 - ライザップはなぜ「結果にコミットできる」のか
ライザップに行くと、なぜ痩せることができるのか。前回、代謝を上げ、エネルギー消費を高めるための「筋力トレーニング」と、太りやすい原因となる糖質をカットする「低糖質食事法」について触れたが、痩せるメソッドのポイントは、もうひとつある。それは……。 - 競合店ができても、ドトールの売り上げがあっさり元に戻るワケ
コーヒー業界が熾烈な競争を極めている。喫茶店、ファミリーレストラン、コーヒーチェーン、コンビニ、サードウェーブなど、さまざまな業界が参入しているが、そんな中で堅調な売り上げを伸ばしているコーヒーチェーンがある。ドトールだ。 - 「決して安くない」のに、なぜ成城石井で買ってしまうのか?
総合スーパーが苦戦している中で、業績好調の企業がある。都市部を中心に展開する成城石井だ。店内には珍しい商品がズラリと並んでいるが、なぜそのような品ぞろえができるのか。『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』の著者・上阪徹氏によると……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.