驚異の的中率! 「次の大統領」を当て続けてきた大学教授がいた:世界を読み解くニュース・サロン(1/3 ページ)
米国の大統領選が終わった。多くの米メディアは「クリントン有利」を伝えていたが、トランプの勝利を予測していた大学教授がいる。「そんなのたまたまでしょ」と思われたかもしれないが、過去の大統領選でも当ててきたのだ。その教授はどんな手法を使って……。
世界を読み解くニュース・サロン:
今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
1年半に渡って行われた大統領選が終わった。
不動産王のドナルド・トランプ大統領が誕生することになった。米メディアなどは軒並み、トランプが大惨敗を喫すると予測していたのだが、彼が勝利したことで世界中で驚きが広がった。
そんな大統領選だが、実は、バッチリとトランプ勝利を予測して、的中させていた大学教授が米国にいる。しかもこの人物は、1996年から過去5回の大統領戦を全て的中しており、今回その記録を6回連続に伸ばした。この教授、いったい何者なのか。
選挙の直前まで、大手メディアなどは、ヒラリー勝利を確実視していた。米ニューヨークタイムズは、クリントンの勝利する確率は93%だと報じ、また米ニュースサイトのハフィントンポストも、98%の確率でクリントンが大統領になると報じていた。米政治ブログのデイリーコスは、96%でヒラリー勝利と書いていたし、米メディアにも信頼されている統計分析サイトのファイブサーティエイトは71%でヒラリーが勝つと伝えていた。
だがそんな中で、トランプの勝利を信じて疑わなかったのが、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校のヘルマット・ノーポス教授(政治学)である。ノーポス教授は、「トランプが勝利する確率は87%である」と主張した。
このノーポス教授の予測システムは、プライマリーモデルと呼ばれ、さまざまなデータから大統領選の勝者を予測するものである。そのモデルでは、1828年の大統領選までさかのぼってどのように大統領選の勝者が民主党、共和党と推移してきたか、そのサイクルとパターンを精査し、さらに党指名候補を決める州ごとの予備選のデータを分析する。ノーポス教授はこの方法で、1996年から5回の大統領選の結果をすべて的中しているのだ。そして今回も的中させ、連続6回の“勝利”になった。
関連記事
- 夫の不貞に耐えたのに、ヒラリーの悲しき末路
2016年の米大統領選が終わった。1年半にわたって繰り広げられた大統領選は、大方の予想に反して、不動産王のドナルド・トランプが大統領に選ばれた。トンデモ大統領が誕生するわけだが、ひとつ気になることがある。それは敗北したヒラリー・クリントンと夫であるビル・クリントン元大統領との関係だ。 - 日本人、それってオカシイよ 「過労死」を生む日本企業の“常識”
過労死の問題が話題になっている。この問題に対して、海外メディアはどのように報じているのか。「労働時間」「残業」「休暇の取得」などは常識の範囲内で行っているつもりかもしれないが、外国人からは“非常識”に映っているようだ。 - 中国政府がいま最も恐れているのは、ネット上の「くまのプーさん」
中国共産党がネット上の検閲に力を入れている。いわゆる「サイバーポリス」と呼ばれる工作員が反政府的な発言などをチェックしているが、2015年に最も削除された発言は……。 - 日本人が知らない医療大麻の「不都合な真実」
元女優の高樹沙耶容疑者が大麻取締法違反の疑いで逮捕された。容疑者が医療大麻を推進していたこともあって、医療従事者などが「医療大麻ってものはない」「(医療大麻は)必要ない」などとコメントしていたが、本当にそうなのか。世界に目を向けると、ちょっと違うようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.