驚異の的中率! 「次の大統領」を当て続けてきた大学教授がいた:世界を読み解くニュース・サロン(2/3 ページ)
米国の大統領選が終わった。多くの米メディアは「クリントン有利」を伝えていたが、トランプの勝利を予測していた大学教授がいる。「そんなのたまたまでしょ」と思われたかもしれないが、過去の大統領選でも当ててきたのだ。その教授はどんな手法を使って……。
勝者を的中させてきた
もちろん勝ち馬にのって勝者を当てているのではない。今回のトランプのように、2012年の大統領選でも、調査会社ギャロップが選挙前日に発表した最終世論調査ではミット・ロムニー候補(共和党)が勝利すると予想していた。だが蓋(ふた)を開けてみると、バラク・オバマ(民主党)が4%近い差で勝利した。ノーポス教授はこの選挙も的中させている。
実は、彼の予測的中は過去5回に止まらない。というのも、過去の大統領選のデータを当てはめても、1912年から、1960年の1回をのぞいて、ずっと勝者を的中させているのである。
ノーポス教授は2016年10月、米政治専門紙にこのように寄稿した。「世論調査はあくまで『意見』であり、せいぜい、政治的問題や候補者の個性について人々がどう思うかだけを示すだけ。意見を示すことと、実際に投票という行動をするのは、全く別のことである。米有権者は10人中たったの6人しか大統領選に投票しない」と。
事実、今回の選挙では、「静かな投票者」「隠れトランプ票」が勝利に貢献したとされる。彼らは、実際にはトランプ支持なのに、それを公表できないでいた。例えばイスラム教とやメキシコ人の友人の前で、イスラム教やメキシコ人を口撃するような人を支持するとは言えないのである。
そしてトランプ自身も、自分が勝利するには、世論調査が実態を反映していないと証明するしかなかったのである。トランプは10月21日、ペンシルベニア州の集会で「私たちは勝利する」と述べ、「世界にショックを与えるだろう。ブレグジット以上(の驚き)になるだろう」とぶち上げた。6月の「ブレグジット」投票では、事前の世論調査で欧州連合(EU)離脱提案が大差で却下されると見られていたが、結局、英国は離脱することになった。
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