ワコールは11月10日、農業に従事する女性向けに、農作業をサポートする下着を来年2月から販売すると発表した。農林水産省が進める女性の就農支援「農業女子プロジェクト」の一環で共同開発した。
同社の既存商品をベースに「農業女子」の要望を取り入れて開発。ノンワイヤーブラ(税別3800円)、タンクトップ(同3400円)、ショーツ(同2000円)、ロングタイツ(同1万円)の4商品。
ノンワイヤーブラとタンクトップは、吸汗性、速乾性、通気性に優れた素材を使用。バスト部分は、胸もとが見えるのを防ぐほか、肩の部分がズレにくいデザインを採用した。
ヒアリング調査で多く集まった「日中は長時間着替えられないので、ベタつかず汗を吸収してくれるものが欲しい」「前屈みになることも多いので、胸元が気になっていた」という意見に応えたという。
ショーツは、同社独自の構造でヒップを立体的に包み込み、動いても裾がズレ上がりにくくした。ロングタイツは、「農作業ではカニ歩きをすることも多い」(同社)として、スポーツ科学の「テーピング原理」を応用し、膝をサポートすることで運動時の負担を軽減するほか、ストレッチ性に優れた素材を採用した。
同社のWebサイトを通じて販売するほか、全国の百貨店や下着専門店などでの販売を検討している。販売目標は来年9月までに4商品合計で約8万枚を目指す。
ワコールの安原弘展社長は「農業は『大変』というマイナスイメージがあるが、女性が生き生きと働けるようにサポートしていきたい。今回開発した商品は、農作業時だけでなく、介護現場などさまざまな場面で応用できる。働く全ての女性の役に立つと考えている」と話した。
また、「農業女子プロジェクト」に関わる安倍昭恵首相夫人がゲストとして登壇し、「現政権は農業を日本の成長産業に位置付けているが、後継者不足などの課題を抱えている。プロジェクトを通じてサポートしていきたい」と語った。
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