福岡の復旧工事に海外絶賛! その裏で:世界を読み解くニュース・サロン(2/4 ページ)
JR博多駅近くの道路が陥没したニュースは、世界的に大きく報じられた。迅速に復旧したこともあって、海外メディアから絶賛の声が目立つが、その裏で気になることも。それは……。
海外メディアから絶賛の声
英公共放送のBBCも、陥没と修復後の写真を並べ、「日本で、福岡の道路にできた巨大な陥没穴が1週間以内に修復された」と報じている。
このような反応は、テレビだけではない。米アトランティック誌のグループであるニュースサイト『シティラボ』は、「日本は2012年に、東京の西で1970年代に作られたトンネルが崩壊して9人が死亡するという事故が起き、厳しい事態に直面した。被害者家族は政府に老朽化するインフラに対してさらなる対策を求めているが、動きは鈍い」と書くが、それでも「陥没した道路が復旧されたスピードが見事であることは否定できない」と報じている。
英エクスプレス紙は、英国内で昨年発生した陥没事故と比較してこう皮肉っている。福岡で陥没した道路は1週間で復旧したのに、「(ロンドンから北にある)セント・オールバンズで2015年10月のはじめに道路にできた幅20メートル、深さ10メートルの陥没事故では多くが避難したが、そのうち5世帯は14カ月近く経った今も帰宅できないでいる」と書く。
またTwitterなどでも世界中の人たちが自分の国なら何カ月も、下手したら何年もかかるだろうと発言し、日本を賞賛している。さらには、日本人の気質にまで言及するメディアもある。
インドのDNA紙は、「この予測できない状況にあって、ほとんどロボットのような能率さで迅速に対処したのに、市の幹部は謝罪をするのである。日本人の礼儀としては典型的だ」と書いている。またオーストラリアのシドニー・モーニング・ヘラルド紙も、「復旧工事の信じられないような能率にかかわらず、福岡の高島宗一郎市長は不便を被った人たちに対して真面目に謝罪をした」と驚きを隠さない。
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