サントリーに学ぶ、タレマネ最前線:全社員型(後編)(1/4 ページ)
従業員の能力を生かすシステム「タレントマネジメント」を導入する企業が増えてきた。日本企業をみると「全社員型」を試みているところが多いが、具体的にどのようなことを行っているのか。前回の大和証券グループ本社に続き、今回はサントリーホールディングスの事例をご紹介する。
前編では、近年の日本企業におけるタレントマネジメントの潮流を「全社員型タレントマネジメントへのシフト」とし、それを特徴づける3つのトレンドをご紹介した。
全社員型タレントマネジメントを特徴づける3つのトレンド
(1)将来の貢献可能性を重視したアセスメントへ
(2)個の見える化を前提としたキャリア自立の促進支援へ
(3)個を引き出すマネジメントへ
また「全社員型タレントマネジメント」を志向する先進的な企業として大和証券グループ本社を取り上げ、「全社員型タレントマネジメント」の実現に不可欠な「個人のキャリア自立」をいかに育み、促していくかについて取り組みをご紹介した。
後編となる今回は「個人のキャリア自立」を前提とし、全社員の活躍を促すためにいかなる育成および適所適材を実現するかについて、情熱的な取り組みを行うサントリーホールディングスの事例をご紹介する。
サントリーホールディングスに学ぶタレントマネジメント最前線
「『サントリーは人が命の会社である』と歴代の人事部長が繰り返し言い続けているように、私たちには“個”を大切にしてきた歴史があります。これからも全社員一人ひとりが生き生きと働けるサントリーでありたいと考えています」。そう語るのは、サントリーホールディングスの黒木俊彦人事部部長だ。
同社は「仕事経験を通じた人の育成」を重んじる企業風土の下、本人のキャリア志向性や適性・強みなどを考慮した異動を積極的に促すことで適所適材を実現し、一人ひとりの活躍を支援する「全社員型タレントマネジメント」の先進企業である。
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