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サントリーに学ぶ、タレマネ最前線全社員型(後編)(2/4 ページ)

従業員の能力を生かすシステム「タレントマネジメント」を導入する企業が増えてきた。日本企業をみると「全社員型」を試みているところが多いが、具体的にどのようなことを行っているのか。前回の大和証券グループ本社に続き、今回はサントリーホールディングスの事例をご紹介する。

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全社で寄ってたかって個を育成する文化

 サントリーホールディングスの育成の基本は、職場での仕事を通じたOJTだ。年に4回行われる上司との面談では、短期的な業績評価だけでなく、サントリー社員としてのあるべき姿を言葉化した「考動評価項目」(メンバー層向け)に基づいて、フィードバックが行われる。

 「当社には部下の希望を叶えるために一肌脱ぎたいという親分肌の上司が多く、人事に対して『部下を異動させてやりたいが、ポストの空きはどうなっているのか』と熱心に聞いてくる上司が結構いる。『現業でしっかりと頑張っていれば、自らアピールしなくても上司や人事はしっかりと見てくれているんだ』という風土の醸成を大切にしている」と黒木部長が語るように、上司が部下のキャリアと成長に責任を持つ意識と相互の信頼関係が同社の育成を支えている。

 さらに、年2回、ホールディングス人事部の異動担当者と各社、各部署の人事窓口(事業会社の担当役員、企画部長など)が向き合い、一人ひとりの成長をお互いに納得いくまで話し合う機会があるという。

 「『○○さんは昨年大きな成果を出したので次はまったく違う分野で新たなチャレンジをさせたい』『この道を極めさせたいので部内で担当を変更させ幅を広げたい』『現業で悩んでいるので環境を変えて心機一転頑張らせたい』といった話し合いを一人ひとりの顔を思い浮かべながら、異動担当者が各人事窓口と調整している」(黒木部長)というように、「全社で寄ってたかって個を育成する文化」があるのも同社の特徴の一つだ。


サントリーホールディングス・人事部の黒木俊彦部長

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