組織文化の「10原則」とは?:企業はどうあるべきか(1/11 ページ)
日本企業にとって、企業買収、新規事業立ち上げ、大きく変化する市場などに対応する場合、単なるビジネス戦略上の打ち手だけでなく、「組織文化」についても検討の必要性が高まっている。そのような場合に、どのようなアプローチを検討するべきだろうか?
例えば、組織の見直しの必要性について、新しいCEOやジャーナリスト、コンサルタント、リーダーシップの第一人者、同僚などが口にするのをどれくらいの頻度で耳にするだろうか。
往々にして彼らは組織文化を世界レベルにすることを望み、その目的は、成長に向けて突き進もうという前向きな意思の妨げとなることや後ろ向きな姿勢をすべて排除すること、また、いきなり今までとはまったく異なるアプローチを持ち込むことを提起している。
このような組織文化への言及はよくあることだが、一方で、効果について疑問が残る。
「組織文化を変える」という崇高な向上心が実際に人々の行動様式や仕事の仕方を修正するまでに至った事例を目にする機会が、どの程度あっただろうか。そして、どれくらいの頻度で、顕著な長期的改善が実現していただろうか。
この2つの質問の答えが「めったにない」であったとしても、私たちは驚かない。私たちは、大規模な文化の変化を実現することができない、あるいはそれを目指すべきでもないと思っている。結局のところ、企業の文化は企業の基本的人格であり、人々がどのように交流し、仕事をするかを示す本質である。一方で文化は、とらえどころのない複雑な存在でもあり、大抵は、リーダーシップや戦略等の変化によって、組織文化もゆるやかに継続しつつ進化する。最も実用的かつシンプルな定義では、「組織文化」とは、物事の進め方を決める「行動の自律的パターン」なのだ。
直感的な反復する習慣と感情的な反応で構成される組織文化は真似ることはできないし、また、簡単にその実態をとらえることもできない。組織文化は絶えず自己再生し、ゆっくりと進化する。
つまり、人々が何を感じ、考え、信じているかがビジネスへの対応に反映され、逆にも影響を与える。文化を全く新しい、これまでとは異なるものに置き換えるために変えようと形式的に取り組んだとしても、人々を動機づけているもの、彼らの行動のきっかけとなっているものの核心に触れることができない。強い標語が並んだメモが上層部から回ってきても、数時間でその効果は消されてしまう。新しい価値観を示した横断幕を壁に貼ることもできるだろう。だが、人々の日常に変化はなく、そうした横断幕の真下で、慣れ親しんだ心地よい習慣が続いていくのである。
しかしながら、こうした本来の複雑さゆえに、リーダーが、文化をテコとして利用しようとする試みを止めるようなことがあってはならない。単に仕組みをそっくり交換すれば良いというわけではないのであれば、有用な歯車の歯を一部調整することを考えなければならない。重要なのは、現在身を置いている文化の中で、変えることのできないものを感情の力も利用しつつ違う方法で変えていくことである。
以下、組織文化の3つの側面がその整合性に影響を与える。
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