「狂犬」国防長官は日本にとってマイナスか:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
トランプ次期大統領が、米軍関係者から「狂犬」と呼ばれる人物を次期国防長官に指名すると発表した。ジェームズ・マティスである。彼は一体どのような人物なのか。日本にとってプラスなのかマイナスなのか。
世界を読み解くニュース・サロン:
今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
国際情勢で「狂犬」と言えば、リビアを長年支配した最高指導者で独裁者のムアンマル・アル・カダフィ大佐が思い出される。その名付け親はロナルド・レーガン米大統領で、カダフィが1986年にドイツのディスコ爆破テロを起こした際に、記者団を前にカダフィをそう呼んだ。
今、レーガンと比較されることもあるドナルド・トランプ次期大統領が、米軍関係者から「狂犬」と呼ばれる人物を次期国防長官に指名すると発表したことが大きな話題になっている。
その「狂犬」こと、ジェームズ・マティスは、2013年に退役するまで43年にわたり海兵隊に所属、米中央軍の司令官にまで上り詰めた元軍人だ。実はマティスは2016年の米大統領選で一時、共和党候補として出馬するのではないかとワシントン界隈で話題になったこともある。そんなマティスは、トランプばりに口が悪い。
この人選は、米国と緊密な同盟関係にある日本にとっても注目だった。安倍晋三首相は政治経験ゼロのトランプと早々に会談を取り付けて出方を探り、パイプをつくろうと動いているが、ただ米国でも彼の動きは予測できないと見られている。
とにかく、日本人が知りたいのは、トランプの動きが日本にどんな影響があるかだろう。マティス国防長官の誕生は、日本にとっていいことなのか、悪いことなのか。マティスのこれまでの経歴や言動から探ってみたい。
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