「狂犬」国防長官は日本にとってマイナスか:世界を読み解くニュース・サロン(2/4 ページ)
トランプ次期大統領が、米軍関係者から「狂犬」と呼ばれる人物を次期国防長官に指名すると発表した。ジェームズ・マティスである。彼は一体どのような人物なのか。日本にとってプラスなのかマイナスなのか。
「海兵隊と結婚した男」とも呼ばれている
マティスは19歳の時に海兵隊に入隊している。その後、地元であるワシントン州のセントラル・ワシントン大学を卒業し、海兵隊では1990年の湾岸戦争や2001年からのアフガニスタン戦争、2003年からのイラク戦争で活躍。2010年からは米中央軍の司令官を務めた。
2013年に退役した後、マティスは民間企業やシンクタンクで客員研究員やコンサルタントなどを行い、現在に至っている。ちなみに、現在66歳のマティスはずっと未婚であり、子供もおらず、「海兵隊と結婚した男」とも呼ばれる筋金入りの軍人である。
マティスはとにかく軍の政策と歴史にも精通している。海兵隊を中心に軍人からの信頼が厚く、親しみやすいリーダーだと評されている。著名な米軍関係者らからも一目置かれ、ベトナム帰還兵で元共和党大統領候補のジョン・マケイン上院議員は最近、トランプと電話で話をして、マティスの国防長指名を助言したと言われている。
ところで、なぜマティスは「狂犬」と呼ばれるようになったのか。その所以(ゆえん)は、アフガニスタンやイラクで部隊を率いた際の戦いぶりと、その歯に衣着せぬ発言だ。マティスはかつて、「アフガニスタンに行くと、ベールを身に付けないという理由で5年にわたって女性に暴力を振い続ける男たちがいる。そういう奴らに、男らしさは残っていない。そんな奴らを銃撃するのはどれほど気持ちがいいものか。実際、彼らと戦うのはほんとに楽しいんだよ。そりゃ楽しい。撃つのが楽しい相手がいる」と語って物議を醸している。
この発言に対しては、後にマティスの当時の上官から「(マティスは)言葉を選ぶべきだった」とのコメントが出ているが、発言内容自体は問題視されていない。日本人なら考えられない発言だが、いくつもの戦場を踏む軍人らしい発言なのだろう。
さらにマティスはいくつもの過激な発言を残している。例えば以下だ。
「礼儀正しく、プロらしくあれ。だが、あなたが会う全ての人をいつでも殺せる準備をしておけ」
「人を銃撃するのに相手を憎まなければいけないと考えている人たちがいる。私はそうは思わない。任務に過ぎないのだから」
「初めて人を撃ち殺すのは、ちっぽけな経験ではない。だが、世の中には銃撃されなきゃいけないクソ野郎どもがいる」
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