アサヒ、中東欧5カ国のビール事業を8883億円で買収:大型買収で攻勢
アサヒグループホールディングスは、ビール最大手のアンハイザー・ブッシュ(AB)インベブから中東欧5カ国のビール事業を約8883億円で買収することで合意したと発表。欧州における強固な事業基盤の構築を目指す。
アサヒグループホールディングス(HD)は12月13日、ビール最大手のアンハイザー・ブッシュ(AB)インベブ(ベルギー)から中東欧5カ国のビール事業を約8883億円で買収することで合意したと発表した。完了時期は2017年上期の予定。10月に買収した欧州ビールブランドと合わせて、欧州における強固な事業基盤の構築を目指す。
取得するのは、ABインベブに買収される前の旧英SABミラーが保有していた事業。ABインベブは独占禁止法への抵触を避けるため、旧SABミラーの事業売却を進めている。
今回対象となるのはチェコ、スロバキア、ポーランド、ハンガリー、ルーマニアの5カ国における事業と関連資産。対象企業数は全8社。
対象事業にはチェコの有力ブランド「ピルスナーウルケル」などが含まれる。また、1人当たりのビール消費量が世界最大のチェコのほか、ポーランド、ハンガリー、ルーマニアでトップシェアを誇る。
対象事業の16年3月期の売上高は約2000億円、営業利益は約430億円。
アサヒグループHDは10月、旧SABミラー傘下の「ペローニ」(イタリア)や「グロールシュ」(オランダ)などのプレミアムビールブランドを約3000億円で買収。買収後も「さらに4000億円程度の投資が可能」(小路明善社長)としていたが、それを大きく上回る大型投資に踏み切った。
18年には欧州で主力ブランド「スーパードライ」の製造を始める。欧州全体に事業ネットワークを構築し、海外における販売拡大を狙う。
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