「補強に30億円も」巨人が崩壊する危険性:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)
プロ野球の巨人が今オフ、例年にない大型補強を敢行中だ。関係者からは「まだまだ終わらない」といった声も出ているが、主力選手をたくさん獲得することでチームはうまく機能するのだろうか。過去の歴史をさかのぼると……。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
プロ野球の巨人が今オフ、例年にない大型補強を敢行中だ。その中でも“超目玉”と言うべきスペシャリストのお披露目が12月19日、東京都内のホテルで行われた。日本ハムからFA(フリーエージェント)となっていた陽岱鋼外野手の巨人入団会見だ。契約条件は5年総額15億円(推定)で与えられた背番号はかつて小笠原道大(現中日二軍監督)や井端弘和(現一軍内野守備走塁コーチ)ら蒼々たる面々の背負った「2」。この日は日本だけでなく、台湾メディア7社も集結。台湾の英雄に対する注目度の高さがうかがいしれた。
会見で陽は「昨日は寝られなかった。それぐらいに、すごく興奮している。プレッシャーはあるけど、僕はまだ成長段階だと思っている。打っても、守っても、走っても1つ1つチームのために頑張りたいし、そういう自分の数字よりもとにかく優勝に貢献したい」と目を輝かせながらコメント。その横で「三拍子そろった主軸として、きっと巨人の力になってくれると思う」と白い歯を見せながら語ったのは来季で就任2年目を迎える高橋由伸監督だった。しかし心なしか、その笑顔が多少引きつっているように見えたのは筆者だけではなかったと思う。
今オフの巨人は他球団やプロ野球関係者から「乱獲」と揶揄(やゆ)されるぐらいに新たな戦力を次々と加え続けている。FA宣言した前横浜DeNAベイスターズの山口俊投手と前福岡ソフトバンクホークスの森福允彦投手をダブル獲得。さらには大田泰示外野手と公文克彦投手を交換要員としたトレードで北海道日本ハムファイターズから今季の先発ローテーションに加わっていた吉川光夫投手、成長株の石川慎吾外野手も巨人の一員となった。
まだ続く。小山雄輝投手を放出し、東北楽天ゴールデンイーグルスからトレードで長打力のある左打者・柿沢貴裕内野手を獲得。さらに、デトロイト・タイガースからFAとなっていた元楽天のケーシー・マギー内野手、今季マリナーズなどでセットアッパーとして活躍した現役メジャーリーガーのアルキメデス・カミネロ投手との来季契約も基本合意に達した。
一度にFA選手を3人も獲得したのは史上最多で、ざっと換算しただけでも今オフの戦力補強は実に30億円を超えると見られている。
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