アサヒ、スーパードライの再成長狙う:発売30周年の2017年(1/2 ページ)
アサヒビールは、2017年に発売30周年を迎える主力商品「スーパードライ」の飲用機会を増やす取り組みを強化する。限定商品などを投入し、縮小傾向にある国内ビール市場の活性化を狙う。
アサヒビールは12月21日、2017年に発売30周年を迎える主力商品「スーパードライ」の戦略説明会を開催し、飲用機会を増やす取り組みを強化する方針を示した。限定商品などを投入し、縮小傾向にある国内ビール市場の活性化を狙う。
スーパードライは1987年3月に発売。89年以降は年間1億ケースを超える販売数量を維持し、国内ビール市場のトップブランドとして認知されてきた。同社によると、ビールユーザー全体の57%に当たる約1980万人がスーパードライを口にしているという。
一方、国内ビール市場は依然として縮小傾向にある。少子高齢化に加え、新ジャンルや缶チューハイなどの人気商品が台頭し、酒類の選択肢も増えた。スーパードライの年間販売数量は2000年の約1億9000万ケースをピークに年々減少。15年は約1億ケースにとどまっている。
飲む機会と場を創出
発売30周年の節目をきっかけに、スーパードライの魅力や飲み方をあらためて発信し、ビール市場の再成長につなげる構え。都内で会見した平野伸一社長は「スーパードライの需要拡大がビールの総需要の拡大につながる。市場を再び広げるためにリーダーシップを取りたい」と意気込みを語った。
「乾杯!心がつながるうまさを、ぞくぞくと」というスローガンを設定。「飲用機会と飲用の場の創出」を目指し、17年以降、東京五輪・パラリンピックが開催される20年を節目とした取り組みを展開する。さらに、26年に決まったビール類酒税一本化も見据えてマーケティング活動を実施する。
目玉は30周年記念の特別限定醸造商品「エクストラハード」。3月14日から5月末までの期間限定で販売する。醸造工程における発酵管理技術の向上により、高い発酵度を実現。刺激のある味わいに仕上げた。75万ケースの販売を目指す。さらに、5月以降も30周年限定商品の投入を計画している。
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