SIMフリーで飛躍「ZenFone」の秘密:甲斐寿憲のキニナルモバイル (1/5 ページ)
2016年のSIMフリー市場といえば? このように聞かれると「ASUSのスマートフォン『ZenFone』」と答える人が多いのでは。ある調査によると、ここ数年ASUSの成長率が際立っているが、なぜこのような状況になっているのか。ASUS Japanの担当者に話を聞いたところ……。
甲斐寿憲のキニナルモバイル:
今やITはビジネスにプライベートに不可欠なもの。特にスマートフォンやタブレット、ノートPCといったモバイル関連は、現代人にとって必須アイテムになりつつある。日常のニュースや何気ない雑談の中にも、モバイルの話題をすることも増えてきているはず。
本連載ではモバイルを中心とした気になる話題をライターの甲斐寿憲がメーカーや開発者、ユーザーに直撃取材をし「実際にどうなのか?」を検証を交えて紹介。今話題の人気の製品、気になるメーカーの動向を分かりやすく紐解いていく。ひょっとすると、そこに新たなビジネスチャンスのヒントが隠れているかもしれない。ぜひ、大人のITスキルの一貫として役立てていただきたい。
2016年のSIMフリー市場といえば? このように聞かれると「ASUSのスマートフォン『ZenFone』」と答える人が多いのではないだろうか。調査会社BCNの「SIMフリースマートフォンの成長率に関する調査結果」(国内、2014年9月〜2015年8月)によると、メーカー別シェアは「ASUS」(27.5%)がトップ、次いで「LG」(24.4%)、「Huawei」(23.5%)と続いた。16年7月の調査結果を見ると「Huawei」(32.4%)が1位、「ASUS」(24.2%)が2位という結果に。今、日本のSIMフリースマートフォン市場はこの2社がしのぎを削りながら牽引していると言ってもいいだろう。
ここでASUSのスマホ「ZenFoneシリーズ」について簡単にご紹介しよう。ZenFoneのZenは日本語の「禅」を表し、「心に平和をもたらす、無駄のない美しさ」を意味している。日本では2014年11月に発売され、2世代目のモデル「ZenFone 2」シリーズがSIMフリースマホ市場で人気機種となった。国内向けはミドル〜ハイスペックの性能に加え、日本で使われているLTEバンドの6や19に対応、日本語入力アプリのATOKがプリインストールされている。また、ラインアップが多い上にそれぞれのモデルのコストパフォーマンスが高いのもユーザーに支持されている理由だ。
人気となったZenFone 2シリーズを見ると、ZenFone 2は5.5インチ液晶搭載、4GBメモリ搭載モデルもあり性能重視のユーザー向け。ZenFone Selfieは自撮り機能を強化した女子向けモデル。ZenFone 2 Laserはシリーズ中最も小さな5インチディスプレイを搭載した片手モデル。ZenFone Goは1万9800円という低価格モデル。ZenFone Maxは5000mAhという大容量バッテリーを搭載。ZenFone Zoomは光学3倍ズームのメインカメラを搭載したデジカメスマホと幅広いニーズにラインアップで対応している。ハイスペックのZenFone 2が実勢価格5万円前後(発売当時)と同時期のiPhoneの約半分、ZenFone Goのような低価格モデルでミッドレンジ並の性能を実現しており、かなりお買い得感が高かったのだ。
そして、その人気機種ZenFone 2シリーズの後継「ZenFone 3」シリーズが、10月7日に発売され、ハイスペック機種のZenFone 3 Deluxeは、約9万円という高額機種にもかかわらず、初回入荷予定分は販売前に売り切れになった。
今回、このZenFoneシリーズの勢いの秘密を探るためにASUS Japanに話を聞くことにした。登場していただいたのはシステムマーケティング部部長の滕婉華(Cynthia Teng)氏、システムビジネス部プロダクトマネージメントアカウントマネージャーの李嘉樂(Raylen Lee)氏、システムマーケティング部 モバイルプロダクトマーケティング課課長の出浦聖子氏、同部PRコーディネーターの福與さやか氏の4人。座談会形式の中、ZenFoneシリーズ躍進の秘密とこれからの戦略について話を聞いた。
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