RENAが評価されるべき、もうひとつのこと:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/5 ページ)
2016年12月31日に開催されたRIZINの試合で、女子格闘家「RENA」が勝利した。シュートボクサーでも「絶対女王」として君臨しているが、彼女が高く評価されるべきもうひとつのことがある。それは……。
幼少期の“無間地獄”がトラウマに
このように全国区のスター街道を歩みだしているRENA。しかし今でこそ強くてかわいく、オシャレな彼女だが、ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。かつては、いじめを受けて自宅に引きこもっていた辛い過去があったのだ。
“いじめ”と言ってもクラスメートから受けていたのではない。4人姉妹の末っ子として生まれたRENAは年の離れた3人の姉から幼少期のころ、相当にいじめられていたという。「私の服を勝手に着た」などと何かと因縁を付けられて激しくののしられたり、時に押し倒されたり……。聞くところによれば、とても姉妹とは思えないような壮絶ないじめを受けていたらしい。しかも両親は共働きであったことから自宅には姉たちを注意する存在がおらず、RENAはこの幼少期の“無間地獄”が大きなトラウマとなってしまう。
小学校中学年になると3人の姉は結婚し、自宅を出て嫁いでいった。しかしながらRENAは姉から受けていたいじめによって対人恐怖症になってしまい、学校でもなかなか友だちができず自宅で引きこもり気味になってしまう。それからしばらくして小学校6年のとき、大阪市内の自宅近くに「及川道場」が完成。元シュートボクシング日本スーパーフェザー級王者の及川知浩が主宰する道場に入門した彼女は「強くなって姉たちに復讐する」ことを目標に、闇雲になって必至に日々の猛練習に励んだ。これが自身の人生を激変させるスタート地点だったのだ。
ただ、その後は強くなっていくにつれ「姉たちへの復讐」という最大の目標が徐々に薄れていった。格闘技の猛練習を積んだエキスパートがド素人をねじ伏せても、そこには何も残らない。そして、それは道義に反することだ。こう考えるようになった彼女は、大事なことにようやく気付かされた。そしてシュートボクシングを通じ、本格的に格闘技の世界にどっぷりとハマっていくうちに「もっともっと強くなって周りの人たちに夢や希望を与えられるような選手になりたい」という純粋な願望だけが心の中で段々と色濃くなっていったという。
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