トヨタ自動車の豊田章男社長は1月9日、米ミシガン州デトロイトで開催中の北米国際自動車ショーで会見し、5年間で100億ドル(約1兆1600億円)を米国に投資すると表明した。
米国ではトランプ次期大統領が自動車メーカーなどのメキシコ投資計画を批判。米国内での設備投資や雇用拡大を求めている。トヨタに対しても、建設中のメキシコ工場について、「ありえない!」と非難していた。
北米国際自動車ショーでは、プレスカンファレンスで豊田社長が登壇。主力セダンの新型「カムリ」を初披露した。乗用車セグメントにおいて、米国で15年連続ベストセラーだったカムリの実績とともに、カムリを生産するケンタッキー州の工場で約7700人が働いていることも強調した。
また、過去60年間で米国に220億ドルを投資してきた実績に言及し、今後の投資加速を強調。米国でトヨタ車の開発や生産、販売に携わる人が約13万6000人に上ることにも触れた。
トランプ氏の発言後、米フォード・モーターと欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)がメキシコの工場建設計画撤回や米国生産の増強などを発表している。トヨタについては、投資計画変更の方針は出していない。
新型カムリは、新しい開発手法「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)」に基づいて開発。プラットフォームを一新し、操縦安定性や乗り心地などを向上させた。また、新型エンジンや新型トランスミッションを採用し、ハイブリッドシステムも一新。燃費と動力性能の大幅向上を実現した。日本では、2017年夏ごろに発売する。
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