「日本のイノベーションを発展へ」Amazon Launchpad開始:出遅れる日本のスタートアップ
アマゾンジャパンは1月18日、スタートアップ支援のプログラム「Amazon Launchpad」を日本でもスタート。既に世界8カ国で展開され、1200社4000点以上の製品を取り扱っているプラットフォームに、日本のスタートアップも参加できるように。
アマゾンジャパンは1月18日、スタートアップ支援のプログラム「Amazon Launchpad」を日本でもスタートした。既に世界8カ国で展開され、1200社4000点以上の製品を取り扱っているプラットフォームに、日本のスタートアップも参加できるようになる。
Launchpadは、ビジネスの成長を加速させるマーケティング、セールスサポート、配送サービスをスタートアップを対象に行うプログラム。特設ストア上に製品を公開し、国内外の消費者に向けて製品への思いやブランドストーリーを伝えられる。
スタートアップの大きな課題は「販路の構築、拡大」だが、Launchpadでは、「Amazonマーケットプレイス」の仕組みを使い、配送をアマゾンに委託することができる。スタートアップ側のメリットは、煩雑な発送作業や在庫管理などをする必要がなくなるため、迅速な配送と開発への集中ができることや、海外販売が視野に入れられることだ。また、レビューを通じ、世界の消費者から直接意見をもらうこともできる。
さらに、出品ノウハウや、ブランド構築のためのマーケティングなど、さまざまなツールを提供する。また、運転資金融資も行うという。
アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長は、「日本のスタートアップをより発展させるためには、さらなるIT投資やサポート体制が必要。その一環となるのがLaunchpad。スタートアップが生み出した革新的で個性豊かな製品を、プラットフォームを通じて、世界中のアマゾンのユーザーに知らせることができる。日本のイノベーション文化を発展させ、1人でも多くの起業家をサポートしたい」と意気込む。
既に15社以上の日本のスタートアップが参加。“なくしもの”を減らすIoTデバイス「MAMORIO」、キックスターターで17万5000ドルを集めた“耳が痛くならない”ヘッドホン「VIE SHAIR」、音楽を流せる家具「SOUND TABLE」などが並ぶ。
世界に後れを取る日本のスタートアップ
Launchpadは15年7月に米国で立ち上がり、16年にヨーロッパ(イギリス、ドイツ、フランス)、中国、インド、メキシコ、カナダでローンチした。日本は9か国目だ。
近年、グローバル企業によるサービスの日本展開が遅れることが多くなっている。独自の商慣習や言語対応などが障壁になることが多いが、今回の場合、日本のスタートアップ市場が成熟してはいないことが大きな原因だろう。
2015年の米アムウェイの調査によると、日本人の起業意識は世界38カ国で最下位だった。「メルカリ」「SmartNews」「NewsPicks」などのスマホアプリが成功したり、ベンチャーキャピタルや大手企業のベンチャー投資も増えたりと、少しずつ変化はしているものの、いまだに世界からは出遅れている。
例えば先にローンチしているメキシコは、スタートアップが急速に発展している国の1つだ。政府の支援も厚く、14年には6億2800万ドルを62万人の起業家に配分している。また、アメリカとスペイン語圏をつなぐポイントであることから、シリコンバレーなどのベンチャーキャピタルや投資家が注目し、資金やノウハウを投入している。
日本政府も起業化支援制度をつくってはいるが、効果的に使われているとは言い切れない。また、現在活躍しているスタートアップの多くはデジタルベンチャーであり、モノづくりの分野においては非常に弱いのが現状だ。Launchpadのローンチは、日本のスタートアップ市場に大きな影響を与えるはずだ。
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