2015年7月27日以前の記事
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医療・介護施設の巡回をロボットで 人手不足解消狙い豊橋技術科学大学が開発

豊橋技術科学大学は医療・介護支援ロボット「Lucia」(ルチア)を披露した。介護施設や病院での夜間巡回や、歩行訓練(リハビリ)を支援する。

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 人手不足が深刻化する医療・介護業界。その課題解決の手段として期待されているのがロボットの活用だ。近年は企業や大学などによる医療・介護ロボットの開発が加速している。

 1月18日に開幕したサービス・産業用ロボットなどが一堂に集結する展示会「ロボデックス」(東京ビッグサイト、20日まで)では、豊橋技術科学大学が医療・介護支援ロボット「Lucia」(ルチア)を披露した。

photo 医療介護支援ロボット「Lucia」(ルチア)

 ルチアは、介護施設や病院での夜間巡回や、歩行訓練(リハビリ)支援に特化したロボット。

 介護施設や病院では、法令で決められた数の夜間巡回スタッフを配置しなければならない(入居者や患者の数に応じて配置スタッフの数は増減する)。ルチアの研究開発リーダー、三枝亮さんによると「夜間の巡回があることで、業務量が多い昼間の人手が不足してしまう医療・介護の現場は多く、大きな負担となっている」という。

 ルチアの夜間巡回支援では、スタッフが設定した巡回の順路を自動走行する。暗い場所でも搭載したセンサーが人を検知するので見落とす心配もない。

 「暗い場所で人が倒れている場合、人間では発見しにくい。センサーを搭載したロボットなら確実に発見することができる」(三枝さん)

 リハビリ支援では、ルチアが地面に「足跡マーク」を表示しながら、利用者の歩行スピードに合わせて歩行を誘導する。心拍数などを計測するウェアラブル端末と連動させることができるので、利用者の体調を管理(記録)しながらリハビリを行うことも可能だ。

 「介護スタッフを増やすことも重要だが、介護を必要としない人を増やすことも重要。今後は介護現場でも、利用者の健康状態を改善する“予防介護”が主流になるので、リハビリ支援の需要も高まっていくだろう」(三枝さん)

 2年後の商品化を目指す(想定価格は150万円)。累計で100億円以上の売り上げを目標としている。

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