毎分100枚印刷 エプソン、高速インクジェット機を投入:オフィスの革新を提案
セイコーエプソンは、オフィス向けインクジェット複合機の新商品を5月に投入。オフィスに対して、インクジェット機器導入の提案を強化する。
セイコーエプソンは2月2日、オフィス向けインクジェット複合機の新商品を発表した。高速・高画質の印刷とオフィスに適したコンパクトなサイズを実現。オフィス向け商品として一般的なレーザープリンターとは異なる、インクジェット方式ならではの強みを生かした商品展開を進める。「オフィスの全ての印刷をインクジェットに置き換える」(碓井稔社長)ことを目指し、提案を強化する。
圧倒的な印刷スピード
新商品「LX-10000F」シリーズと「LX-7000F」シリーズを5月に投入する。新商品には、高速印刷を実現するために新開発したラインヘッドを採用した。ラインヘッドは、用紙幅と同じ長さのヘッドを使って広い面積を一度に印刷する方式の機器に搭載される部品。LX-10000Fシリーズは毎分100枚、LX-7000Fシリーズは毎分75枚の高速印刷ができるようになった。
ラインヘッドに内蔵されるプリントチップを斜めに配列することでヘッドを小型化。圧倒的な印刷スピードとオフィスに設置しやすいコンパクトサイズを両立させた。さらに、プリントチップの高密度化によって、高画質も実現した。
エプソンのインクジェット技術は、インクを紙に吹き付けるだけのシンプルな印刷技術。熱を使わないことで、電力消費も抑えられる。そんなインクジェットの強みに、新開発技術で実現したメリットを加えてオフィスへの提案につなげる。
都内で開いた新商品発表会で碓井社長は「印刷が遅くて生産性が上がらない、コストが気になってカラー印刷できない、メンテナンスが手間――などといったオフィスのイライラを解消できる」と強調した。
標準価格は、LX-10000Fが260万円、LX-7000Fが210万円(いずれも税別、FAX搭載モデル)。
インクジェットの提案強化
新商品投入をきっかけに、2014年8月から提供しているオフィス向け複合機・プリンターの総合サービス「エプソンのスマートチャージ」をさらに強化する。
同サービスは、機器本体と消耗品、メンテナンスを提供する定額サービス。その対象に新商品の高速印刷対応モデルを加える。また、顧客のニーズに応じた新しいプランも提供。利用状況やコストに合わせてサービスプランを選べるようにした。
LX-10000FシリーズとLX-7000Fシリーズに対応するプランは3つ。本体を購入することなく、定額料金だけで規定枚数を印刷できる「オール・イン・ワンプラン」のほか、機器を購入またはリース契約して、別途サービス契約するプランなどを用意している。
オフィスに対するインクジェット複合機・プリンター導入の提案を強化することで、軽印刷市場の拡大と、複合機市場における新規顧客獲得を狙う。3〜5年後には、インクジェットを使った軽印刷の市場シェア40%、複合機市場のシェア5%を目指す。
エプソン販売の佐伯直幸社長は「(目指す市場は)他社が長年しのぎを削ってきた市場だが、現在はこう着状態に陥っている。レーザー印刷を超える高い付加価値によって、これまでと違う観点から提案ができる」と自信をのぞかせる。
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