導入加速する「Pepper」 その実用性は?:導入企業2000社(1/2 ページ)
2月8〜9日にソフトバンクロボティクスが開催した「Pepper World」で、各企業がPepperの導入事例を紹介した。
2015年10月から販売を始めた人型ロボット「Pepper」の法人向けモデル「Pepper for Biz」。現在約2000社が導入するなど、徐々にビジネスでの活用が進んでいる。2月8〜9日にソフトバンクロボティクスが開催した「Pepper World」では、各企業がPepperの導入事例について紹介した。
スタッフの業務負担を軽減し、サービスの質も向上
全国で約450店舗を展開する回転すしチェーン「はま寿司」は、今月から一部の店舗で始めているPepperを受け付けや案内業務に活用する実証実験について説明した。
実証実験ではPepperが来店したユーザーに対して人数や希望の座席をヒアリングし、空席がある場合は座席の番号札を発券して案内をする。満席の場合は整理券を発券し、座席の用意ができたらユーザーを呼び出す。今後は実証実験の結果を通じて、全国の店舗で導入を検討していく予定だ。
はま寿司のホールスタッフはこれまで、テイクアウトの対応や会計業務、清掃など複数の業務と並行しながら受け付けや案内を行っていたため、業務負担が重くなっている課題があったという。
はま寿司の田邊公己営業本部長は「忙しいときはスタッフの手が回らず、会計を済ませたいユーザーをレジ前で待たせてしまうこともしばしばあった。しかし、そのためにスタッフを増員すればコスト高になってしまう」と話す。
「Pepperの活用によって、ユーザーにストレスを与えない接客対応ができると同時に、スタッフの作業を軽減させることができる。また、Pepperはエンターテインメント性も強く、特に子どもに楽しんで頂いている」(田邊本部長)
はま寿司は今後、新商品の宣伝や、待ち合い席でPepperとフリートークが楽しめるような活用も検討している。また、Pepperの顔認証の機能を使った顧客管理システムを構築し、どのような層のユーザーが多く来店しているのかを分析するなど、マーケティングにも生かしていくとしている。
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