スペインで、柴崎岳に何があったのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
CDテネリフェの医療チームから「不安障害」の可能性を指摘されたMFの柴崎岳が、復帰する見通しとなった。「柴崎はスペインリーグに強い興味をもっていた」と言われていたのに、なぜ体調を崩したのか。
環境が大きく変わった
柴崎の移籍は当初、スペインリーグの1部UDラス・パルマス(以下、ラス・パルマス)が名乗りを上げていると多くのメディアによって報じられていたが、いざフタを開けてみると結局のところ正式なオファーを向けたクラブは2部のテネリフェだった。そういう観点から考えれば、残念ながらメディアの間で移籍濃厚と見られていたラス・パルマスは柴崎を戦力として考えてはいなかったのだろう。
テネリフェは2部リーグで現在4位。来季の1部昇格を十分狙える位置にいる。そのテネリフェと柴崎の契約期間は今年の6月30日までだ。シーズン途中からの加入で助っ人としてチームを昇格に導けば、もちろん評価は一気に急上昇する。だが半年にも満たないわずかな期間の中においてレギュラーに食い込み、それなりの結果を残せなければ契約延長、もしくは他クラブからのオファーも期待できない。
アントラーズの中だけでなくJリーグ関係者の間でも「神経質なぐらい、非常にまじめで頭のいい選手」と言われている柴崎だけに、こうしたさまざまなことを新天地で思慮しているうちにすさまじいプレッシャーにさいなまれるようになっていたとしても不思議ではない。
そして何より、環境の変化だ。テネリフェのペレス・ポレゴGD(ゼネラルディレクター)は「岳の生活は食事や文化、スケジュール、環境などあらゆる面で大きく変わった。これだけ短時間で劇的に大きな変化が起こると、人間ならば適応できなくなるケースは起こりうること。彼は西洋の国へとやって来た東洋人。まだ24歳の若さで日本以外のクラブチームでプロ経験がないのだから、このようなこと(不安障害)になっても驚きはない」と語っていた。
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