「R25」サービス終了 フリマガ時代の寵児消える:3月31日に更新停止
ビジネスパーソン向けWebメディア「R25」と関連サービスが終了。一時期は週刊のフリーマガジンを60万部発行し時代の寵児に。15年にWeb完全シフトするも、PVが大きく落ち込んでいた。
Media Shakersは3月1日、ビジネスパーソン向けWebメディア「R25」と関連サービスを終了すると発表した。3月31日に更新を停止し、4月28日にサービスを終了する。
2004年創刊のR25は、リクルート社内の新規事業コンテストから出発。定期刊行のフリーマガジンを、首都圏の主要鉄道駅、コンビニエンスストア、大型書店のスタンドで無料配布するという大々的な手法をとり、若手ビジネスパーソンからの支持を得た。一時期は毎週60万部を発行し、フリーマガジン時代の寵児(ちょうじ)として注目を浴びた。
しかし読者のデジタルシフトに対応するため、15年にWeb版の「web R25」と統合し、紙版は休刊(特別号などのフリーマガジン発行は続行)。Web版は15年には月間5143万PV(ページビュー)に伸びていたが、16年にはブラウザとアプリを合わせて1582万PVにまで落ち込んでいた。
R25(ブラウザ版、アプリ版、ニューススタンド版)の終了に加え、R25関連成果型広告や、インフォグラフィックニュースサイト「ZUNNY」のサービス提供も終了する。
R25編集部は、「2004年のフリーマガジン創刊以来、若手ビジネスマンを応援すべく、話題になっている旬のトピックをはじめ、ビジネスマンとして知っておきたい情報を分かりやすく紹介してきました。13年にわたり、R25というメディアが続いてきたのは、何よりも読者やユーザーの皆様のお陰です。本当にありがとうございました」とコメントしている。
R25の運営はリクルートホールディングスと、2005年にリクルートと電通が共同で設立したMedia Shakers。Media Shakersの事業内容はR25の運営とR25に関連した広告と運用ソリューション提供。16年3月期の業績は、決算公告によれば最終損益が894万円の赤字、利益剰余金は2億6100万円のマイナスだった。
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