フルグラやJagabeeを成長させた「現場主義」:カルビーを支える女性リーダー(1/5 ページ)
女性の活躍を推進するカルビーには、生き生きと働く女性リーダーが多い。その一人がフルグラ事業部 企画部 部長の網干弓子さんだ。長らくマーケティング部門に所属し、「Jagabee」のブランド立ち上げにも携わった彼女の仕事のスタンスとは――。
女性の活躍を積極的に推進する食品メーカー大手のカルビー。2020年3月末までに女性の管理職(課長以上)を30%以上にすることを宣言するなど、ダイバーシティ(多様性)への取り組みは日本企業の中でも指折りの熱心さだ。
また、毎日在宅勤務OKの制度などを作り、昨今注目を集めている働き方改革という観点でも、日本企業の中で先頭を走る。
実際に、生き生きと働きながら大きな成果を出している女性社員が目立つ。マーケティング本部 フルグラ事業部 企画部で部長を務める網干弓子さんもその一人である。今やカルビーのビジネスで重要な柱になっているシリアル商品「フルグラ」。2015年度には約221億円だった売り上げを、2018年度には500億円にまで伸ばす計画である。その成長の原動力として網干さんの存在はなくてはならないのだ。
現場を知ることから
網干さんは1997年、カルビーに新卒入社。理系出身だったこともあり、栃木県宇都宮市にある清原工場に配属、主にシリアル商品の品質管理を担当した。
翌年、本社の商品部(現マーケティング本部)に異動。当時のカルビーで、新人がわずか1年で異動するのは珍しかったそうだ。商品部では「サッポロポテト」などスナック系商品の担当になったが、最初は苦労の連続だったという。「これまで工場勤務だったため、会社の仕組みや、営業、商品開発など現場のことも何も分かりませんでした。一からすべて学ぶところからのスタートで、一通りのことを知るまでに時間がかかりました」と網干さんは振り返る。
そこでどうしたのか。網干さんは積極的に現場に出ようと決め、商品にかかわるあらゆる部署に足繁く通った。ときには営業担当者に同行して、スーパーマーケットでの販促を手伝いながら消費者の声にも積極的に耳を傾けた。
とにかく現場を知ることから――。こうした網干さんの考え方や行動力が、後々の仕事にも大きく生きてくる。
関連記事
- “不毛時代”続いたカルビー「フルグラ」がなぜ急激に売れ出したのか?
カルビーが8期連続で過去最高益更新と絶好調だ。その業績を支える柱の1つがシリアル食品「フルグラ」である。この数年間で急成長を遂げており、2018年度ごろには500億円の年間売り上げを見込む。しかし以前は低迷期が長らく続いていた商品なのだ。 - ダーツで席決め 好業績のカルビー、成長の源はオフィスにあった!
2009年に経営体制を大きく刷新したカルビー。それが功を奏し業績を伸ばし続けている。松本会長の号令の下、さまざまな経営改革に取り組んできた。その1つが本社移転をきっかけに推進したオフィス戦略だ。 - カルビー、ジャガイモ新品種開発のわけ
10年以上の年月をかけて、カルビーグループはジャガイモの新品種を初めて自社開発した。その名は「ぽろしり」。なぜ同社は新たな品種が必要だったのだろうか……? - カルビーが「成型ポテトチップス」の開発を止めなかった理由
ついにカルビーが「成型ポテトチップス」市場に本格参入した。筒型タイプの新商品「ポテトチップスクリスプ」を発売、初年度で20億円以上の売上高を目指す。実は成型ポテトチップスの商品化は以前から検討を進めていたのだが……。 - なぜヤンマーはカキ養殖に取り組むのか?
産業機械メーカーのヤンマーがカキの養殖に取り組んでいる。しかも産地は、これまでカキの生産実績がなかった大分県国東市だ。ヤンマーがカキ養殖に乗り出した理由、そこにはある男の強い思いがあったのだ。 - “再び”「ポッキー」が急成長できた理由
横ばい状態が続いていた「ポッキー」の売り上げを5年間で50億円も伸ばしたチームリーダーがいる――。チョコレートマーケティング部の小林正典部長だ。彼はどのようにしてポッキーの売り上げを伸ばしたのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.