2015年7月27日以前の記事
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eラーニングで学習障害持つ子を支援 AIが励ます機能もすららネットが提供

教育ベンチャーのすららネットが、クラウド学習システムを拡充。小学校低学年の児童と、学習障害を持つ子どもを支援するカリキュラムを提供する。AIの自然対話技術を活用し、受講生にアドバイスする機能も備えている。

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 NTTドコモ・ベンチャーズが出資する教育ベンチャーのすららネットは3月2日、同社のクラウド型eラーニングシステム「すらら」の小学校低学年版を3月17日から提供開始すると発表した。AI(人工知能)のチャットボットを活用し、達成度に応じて生徒を励ます機能も導入する。

 すららは、問題に正解すると受講者のレベルが上がったり、友人と成績のランキングを競ったりといったゲーム的要素を取り入れたeラーニングサービス。

 従来は、小4〜6の国語・算数と、中学〜高校の英語・国語・数学に対応。今回提供する小学校低学年版は、教育支援などを手掛ける公益社団法人・子どもの発達科学研究所が監修し、3年生以下の児童だけでなく学習障害を持つ子どもが理解しやすいカリキュラムを設けた点が特徴だ。

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「すらら」低学年版の概要

 新カリキュラムの内容は、国語は識字能力と発話能力を高めることがテーマで、「文字を触って音を聞く」「聞こえた文字を書く」などの問題を設ける。算数は数的認知能力の基礎を固めることがテーマで、「数の大小の把握」「集合の概念の把握」などの問題を設ける。問題に正解するとアイテムを入手できる仕組みを追加し、ゲーム的要素もさらに強めている。

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新カリキュラムの画面イメージ

 受講者の学習意欲を向上するために、AI(人工知能)のチャットボットを活用した声掛け機能「AIサポーター」も導入する。学習の開始時や単元の終了時など、適切なタイミングでAIが児童にフィードバックやアドバイスを行うもので、NTTドコモが開発したスマートフォンの音声入力サービス「しゃべってコンシェル」の自然対話技術をベースにした。AIが発するセンテンスは、慶應義塾大学の中室牧子准教授(教育経済学)との共同研究で選び、児童の学習行動の改善に効果があったものを取り入れたという。

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先生役のキャラクターとのチャットの様子(=プレスリリースより)

 子どもの発達科学研究所の和久田学主席研究員は、「全員に同じ問題を提供するのではなく、1人1人の進度や状況に応じて最適な問題を提供できる仕様にした。学習や認知が苦手な子ども達は、『問題に正解する』という小さな成功体験を重ねて、学びの楽しさを知ってほしい」と新カリキュラムの狙いを話している。

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