売り上げ1兆円突破「セブンプレミアム」、生鮮品に進出:10周年で拡充
セブン&アイ・ホールディングス(HD)はPB商品を2019年度までに現在の3650品目から4200品目に拡充し、年間売り上げ1兆5000億円(PB単体)を目指す。
セブン&アイ・ホールディングス(HD)は3月9日、プライベートブランド(PB)から新たに生鮮食品を販売するほか、PB商品を2019年度までに現在の3650品目から4200品目に拡充し、年間売り上げ1兆5000億円(PB単体)を目指すと発表した。販売好調のPB商品を強化することで、売り上げに伸び悩む総合スーパーや食品スーパーのテコ入れを図る。
「野菜・果物」「精肉、卵」「鮮魚」の生鮮3品を新たなPB「セブンプレミアム フレッシュ」としてイトーヨーカドーやヨークベニマルなどで順次展開する。
第1弾として、標高1000メートル以上のフィリピンの農園で栽培した「濃厚旨みバナナ」(3月9日から)、卵から管理したノルウェー産の「アトランティックサーモン」(3月11日から)、カナダの農場で飼育した「カナダポーク」(3月20日から)を販売する。
セブン-イレブン・ジャパンの石橋誠一郎執行役員は「スーパーマーケットでは生鮮食品のニーズが高い。当社のPBの認知度をさらに高めて、売り上げを伸ばしていくためには生鮮食品に取り組む必要があった」と話した。
「価格よりも品質の高さで勝負していきたい。売れ行きを見ながらコンビニでの本格的展開も検討している」(石橋執行役員)
2007年に販売を開始したPB「セブンプレミアム」は、2016年に年間売り上げ1兆円を突破。グループ全体の売り上げの約4割を占めている。
セブン&アイ・ホールディングスは今後、販売好調のPB商品を19年度までに現在の3650品目から4200品目に拡充させ、1兆5000億円の売り上げを目指す。また、「サラダチキン」や「ポテトサラダ」といった年間10億円以上を売り上げる商品も192品目から300品目以上に伸ばす計画だ。
また、グローバルでの展開にも力を入れる。「2016年からシンガポール、中国などの650店舗でPB商品を展開している。日本以上に好評なので、今年度中には2000店舗以上に拡大させる」(同)としている。
同社の井阪隆一社長は「PB『セブンプレミアム』は今年で10周年。既存商品も常に改良しながら変化する社会ニーズに対応していきたい」と話した。
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