「中身で判断してほしい」という就活中の若者へ:身だしなみは最低限のマナー(1/2 ページ)
相手には外見の良さを求めるのに、自分のことは「中身を見てほしい」では矛盾しています。自分の外見に優位性がないなら、それを補正するお金や権力など、何らかのメリットで説得する必要があります。
著者プロフィール:
増沢隆太(ますざわ・りゅうた)
株式会社RMロンドンパートナーズ代表取締役。キャリアとコミュニケーションの専門家として、芸能人や政治家の謝罪会見などをコミュニケーションや危機管理の視点で、テレビ、ラジオ、新聞等において解説している。大学や企業でのキャリア開発やコミュニケーション講座を全国で展開中。著書「謝罪の作法」他多数。
就活まっさかり。私も就活講演で毎週末あちこち呼ばれて助かってます。一方、就活と言えばマナー講座などもまたあちこちで開かれています。実は来年度はこの私もマナー講座に初登壇という恐ろしい企画が進んでいます。エッ?! マナーどころか人として常識欠如、社会人失格、散々、罵詈(ばり)雑言を浴びてきた私に? 大丈夫?
1.イケてない学生生活
自分でイケてない系の見た目、オタクっぽいと思ってる人。君らの親と同世代の私ですが、もっとイケてなかった点に自信満々です。若き頃、あるヨーロッパ系銀行丸の内支店に外為で振込するため白ランニングシャツと短パンで入店した経験もあります。よくつまみ出されなかった、いやアブなすぎてそっとしておいてくれただけかもですが。
自分がそうだったから今も皆そうなのかは分かりませんが、当時私はこう思っていました。「見た目のチャラいやつより自分の方が中身がある」「その中身を見られない、評価できない方に問題がある」と。
私がその後サラリーマンになり、社会人として30年以上過ごして、ちょっとだけ進化したなと思うのは見た目です。ファッションへの興味もセンスも絶無だった私に、社会は優しかったのです。特に男性には「スーツ」という唯一無二の正解がありました。これさえ着ていれば廃棄物を見るような目で見られたり、マンガのように背中をつままれて外に放り出されることはないのです。すっごく便利です、社会人って。
「スーツを着たおとなになりたくない」的な歌詞は昔から捨てるほどありますが、逆だよ逆。若者が全員ファッションセンスがあって、見た目整ってると思うなよとずっと耐えてきました。スーツがある方がはるかに楽だから。
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