チェックリストをバカにしない:ノウハウの継承(1/2 ページ)
どんなに優秀な人でも必ずミスを犯す。「自分はその分野のプロで何度も同じようなことやってるし、いちいちチェックリストなど作成する必要はない」というのは、真のプロではありません。
著者プロフィール:泉本行志(いずもと・たかし)
サンダーバード国際経営大学院卒業(MBA取得)。外資系大手経営コンサルティングファーム、外資系大手IT企業、ベンチャー企業での事業立ち上げを経て、株式会社アウトブレイン社を創業。現在はロジックと感情を融合した思考法を活用し、事業アイデアの立案・戦略策定・業務改善コンサルティング、問題解決手法の教育プログラムを開発・提供している。ブログ「STREET SMART プロジェクトの現場を勝ち抜く技術」
「なんであのときに確認しなかったのか」 「順番を間違えたって、それってあり得ないんですが……」
どんなにその分野のエキスパートであっても、どれだけ経験豊富であっても、肝心な場面でチェックリストを活用することはとても有効です。
特に、精神的なプレッシャーがかかるような場面では、事前に入念なチェックリストを作成し、実行するときは淡々とそのチェックリスト通りに遂行する。肝心な場面になってから、頭をフル回転して考えようというのは避けるべきです。
例えば、新しいITシステム導入で、旧システムからのデータ移行作業を行うといった場合。特に限られた時間で全作業を完了させないとなると、かなりの精神的なプレッシャーを受けます。あるいは、重要な交渉の場面。緊張ある場面で、リアルタイムのやりとりで相手と対峙(たいじ)する必要があります。
さらには人の命がかかわるもの、例えば医師がオペの準備をする、整備士が航空機の整備をするなど、失敗・間違いが許されない作業・場面はいろいろあります。
人は、緊張したり心理的にプレッシャーを受けると知能が低下します。だからこそ、脳が正常に働くときに、やるべきことの網羅性・順序などを入念し確認し整理しておくことがとても重要です。
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